2011年03月30日

00.社会

和商出身のパティシエトリオが誕生

今でも家庭科調理室に訪れるという成田君、畠君、福井君(左から)

今でも家庭科調理室に訪れるという成田君、畠君、福井君(左から)

パティシエの道、数珠つなぎのように。県立和歌山商業高校(和歌山市砂山)で家庭科部顧問の髙井真起子教諭(34)が担任した生徒が、次々と菓子職人の道に進んでいる。平成19年度卒業の福井健介君(21)=同市毛見のロイヤルパインズホテル勤務=を筆頭に、昨年度卒業の畠伊織君(19)=同市小雑賀のセンプレコンテパティオ勤務=、本年度卒業の成田和紀君=同市高松のサブール車庫前店勤務=と、3人のパティシエが誕生した。

髙井教諭は、生徒自身が考え技術を学んでいく授業を目指し、部活では生徒が講師となった 「おじさんのための調理教室」 を開催したほか、 「菓子作りの出前授業」 の依頼に回るなど、常に生徒を裏方からサポート。福井君、畠君はすでに出前授業で同校の教壇に立っており、盛況だった。
3人の共通点は、「先生への信頼」と「作ることが好き」。一人目の福井君はテニス部で主将を務め、クラスメートからの信頼も厚い。子どものころから料理を作るのが好きで、親せきにもてなすことが幸せだったという。得意なのはスフレやチーズケーキ。後輩に菓子作りの楽しさを伝えようと、クラブや授業で技を伝授している。

畠君と成田君もそんな先輩の姿を見て、奮起。選択科目でフードデザインを選び、本格的に進路を考えるようになった。二人は3年間バスケットボール部に所属、先輩後輩で受け継がれたきずなは強い。畠君は小学4年生の時、お楽しみ会で手作りしたドーナツがクラスメートに好評で、人を喜ばせるのっていいなと感じたのがきっかけ。成田君は小学校の卒業作文で「何か作ること」を将来の夢に掲げていた。その後、先輩の影響を受け「作りたいという自分の思いに合致した」という。

2人の後輩に対して福井君は「思い描く世界とまったく違う。続かない人が多いのでぜひ頑張ってほしい」とエールを送り、地元・西浜で「カフェを経営したい」と夢への情熱も忘れない。約1年間修行を積み、新作ケーキが正式に商品に採用された畠君は「まだまだ技術を学び取り、後輩のためにもしっかりせなあかん」と決意を新たに。働き始めたばかりの成田君は「先輩はライバルです。認めてもらえるように腕を磨いて頑張ります」と力強く語った。

3人に髙井教諭は「自分の決めた道で、独自のものを研究し、いずれは和歌山を代表するような職人になってほしいです」と笑顔で送り出した。





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