2011年04月15日

00.社会

音の良さにファン続々 梅田さんの「竹スピーカー」

音の良さにファン続々 梅田さんの「竹スピーカー」

自作の竹スピーカーに囲まれた梅田さん

竹から生演奏のような音色。 ウメダ電器(和歌山市坊主丁)代表の梅田寛さん(59)が2年前に考案した 「竹スピーカー」 のファンの輪が広がっている。 竹林を間伐したことでひらめいたアイデア作品の美しい音色に、 音楽好きが次々と魅せられ、 梅田さんに教わりながら手作りに挑戦する人も。 梅田さんは 「この音の良さを和歌山から発信し、 どんどん浸透してほしい」 と話している。

大阪の大学で電子工学を学んでいた梅田さんは、 学生のころから趣味でスピーカーを作っていた。 大学卒業後、 いったんはオーディオメーカーに勤めていたが、 同店初代代表の父親が体を壊し、 急きょ帰郷した。

毎春、 知り合いにタケノコ掘りに誘われており、 2年前からそのお礼にと竹林を間引く作業も始めた。 伐採した竹をもらい、 思いつきでスピーカーの部品を組み込んだところ、 驚くほど良い音が生まれた。 市販されているスピーカーのほとんどは前へ音がでるもので、 聴く場所によって音のバランスがずれる。 竹スピーカーは円すいの音響拡散器に反射し、 どこから聴いても目の前で演奏しているような立体的な音の広がりを感じられる。 竹の皮の固さや、 内部の節の具合も音色の良さに奏功したという。 友人に貸せば 「もう普通のスピーカーの音は聴けない」 と太鼓判を押され、 視聴に訪れた人もうっとりと聴き入る。

使っているうちに割れる危険性があるため、 店頭販売は躊躇(ちゅうちょ)する面もあったが、 現在は京都の竹販売店から割れにくい竹を仕入れて製作することを検討中。 海南市の伝統工芸である漆塗りとのコラボレーションも考えているそう。 竹スピーカーを作りたいという人には、 梅田さんが作り方をアドバイスしており、 それぞれがスタンドなどを工夫しながらオリジナルの作品を作っている。 来月中には、 海南市の大正琴のボランティア団体が、 海南駅前のイベントで自作の竹スピーカーを披露するという。 梅田さんは 「竹林の美化にも役立つことがうれしい。 和歌山の特産品のようになってくれれば」 と話している。

竹スピーカーを視聴したい人は同店(TEL073・422・1263)へ。





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