2011年05月01日

00.社会

淺川組運輸が開発した「エムネジ」好調

エムネジについて説明する南出さん - 淺川組運輸が開発した「エムネジ」好調

エムネジについて説明する南出さん

浅川組運輸(株)(本社=和歌山市築港、長井一朗社長)が開発した、強化段ボール箱の組み立てなどに使う樹脂性ネジ「エムネジ」が昨年秋に発売され、7カ月で予想の倍の11万個が売れるなど、運送業界を中心に浸透しつつある。段ボール箱の固定といえばガムテープやホチキスというイメージを覆し、作業の効率化を図った新しい接合具に、開発者の倉庫事業部、次長の南出好宣さん(47)は「今までにない新しい接合具を、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と話している。


2年半前、梱包(こんぽう)をより効率化する物を作ろうと、同社でプロジェクトチームが立ち上がった。強化段ボール箱の組み立てといえばホチキスやガムテープが主流だが、ホチキスは専門業者に出向く必要があり、ガムテープは気温によってのりがはがれ美観も損なってしまうことから、新しい接合具の開発に目を付けた。

以前からの経験で、ネジ式の接合具を思い描いていた南出さんは、平成21年4月に第1号となる鉄製のネジを試作。段ボールに負担をかけないようなネジの形状を考えるのに苦労し、強度を求めて10種類ほどの樹脂を試した。

エムネジは直径2・5センチ、ネジ部分は2・15センチ。電動ドライバーで取り付けることができ、はずすのはコインでも可能。ネジに直角の方向なら約33キログラム、垂直なら約19キログラムに耐えられる。段ボールをホチキスで箱成形して運送するより、成形していないフラットな状態で運んで現地でエムネジを使用すれば、4トン車で積載量が5倍になり、運送関係のコストダウンにもつながる。基本的に使用は1回のみ(こすれて強度不足の原因となるため)。

22年度日本パッケージコンテスト(日本包装技術協会)で、300社の作品の中から「包装アイディア賞」10作品の一つにも選ばれた。

すでに意匠登録はしているが、特許は出願中。昨年9月から3月までに5万個の販売を予想していたところ、倍以上が売れた。今年度は、40万個の販売を目標にしている。今後、需要があれば、強度や大きさを変えて新しいタイプを販売することも考えているという。
自身の名前の頭文字から「エムネジ」と名付けた南出さんは、「初めての物で、使うのを躊躇(ちゅうちょ)する業者さんも多いが、実績を重ねて知名度を上げていきたい」と話している。

問い合わせは同社(メールh-1@asa-unyu.com)へ。





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