2011年05月03日

00.社会

同郷の人を募集 福島からの避難者佐藤さん

避難者の会への参加を呼び掛ける勉さん㊧と妻の和子さん - 同郷の人を募集 福島からの避難者佐藤さん

避難者の会への参加を呼び掛ける勉さん左と妻の和子さん

「みんなであづまって元気だすべ!」。福島県出身の佐藤勉さん(66)は、東日本大震災で被災し、和歌山へ避難してきた一人。佐藤さんは避難者同士で情報交換し支え合う会をつくろうと呼び掛けている。県の総合防災課によると、県が把握している県内への避難者は40世帯108人(4月28日現在)。佐藤さんは「なじみのない土地で同郷同士が交流を深めることで気持ちが楽になれば」と願っている。


佐藤さんが住んでいた富岡町は福島第一原発がある浜通りに位置し、震災で長女の絵美子さん(34)と次女のかおりさん(31)の嫁ぎ先である和歌山市に、妻の和子さん(61)と共に避難することになった。3月28日から和歌山市紀三井寺にある雇用促進住宅で生活している。

福島の自宅は高台にあったため津波の被害は免れたが、家屋は倒壊。避難勧告が出され、身一つで自宅を出たまま戻ることもできず、車での生活が4日間続いたという。

県剣道々場連盟の会長を務める佐藤さんは、地震と津波で教え子たちともばらばらになってしまった。25歳のとき富岡町少年剣道団を立ち上げ、40周年を迎える来年には記念式典を計画していた。そんな矢先の大地震と原発事故に「自分が身をささげてきたものは一体何だったのか」。長年積み上げてきたものが一瞬にして失われたようだったという。

しかし、全国の剣道関係者から応援や励ましを受け「こんな災害に負けてはいけない。生きるんだ」と、自ら情報発信していこうと決めた。

先日は関東へ避難している剣道仲間が佐藤さんを訪ねて来るなど、東北弁で会話する機会があり「やはり福島の言葉で話すだけで心が晴れ晴れとする」と実感。佐藤さんは、「気を使わず方言で語り合い、何か困ったことがあればみんなで共有していきたい」と話している。

5日には和歌山への避難者3家族9人で佐藤さん宅で会食するほか、今後もさまざまな交流を図っていく。問い合わせは佐藤さん(TEL090・4880・9638)。





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