2011年05月19日

00.社会

143年ぶりご開帳 不思議な逸話のお稲荷さま

143年ぶりご開帳 不思議な逸話のお稲荷さま

厨子(ずし)に入った珍しい姿のお稲荷さま

珍しい姿形のお稲荷(いなり)さまが、 和歌山市吹上の恵運寺で143年ぶりに一般公開されている。 22日には新たに建立された宝来稲荷社にご神体が遷(うつ)される復興記念法要があり、 ご神像の公開はこの日までとなる。 このお稲荷さま、 形だけでなく稲荷社建立のいきさつも不思議といい、 山本寿法副住職(44)は 「ここは開運寺です。 不思議なご縁をもつお稲荷さまに気軽にお願いしてください。 皆さんの心のよりどころになればうれしいです」 と話している。

公開されているお稲荷さま、 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)の姿は、 白キツネの上に立ったおじいさん。 高さ約20センチで、 右手に宝珠を持ち、 左肩に稲の荷を担いでいる。

お稲荷さまといえば神社にあるのが普通で、 神道ではご神体を人の姿で現さない。 曹洞宗の寺でもお稲荷さまを祭るが、 その場合は荼枳尼天(だきにてん)という女性の仏像。 ただ、 宇迦之御魂神が弘法大師を助けた時は年をとった男性の姿だったと伝わっており、 山本副住職は 「うちは曹洞宗の寺ですが、 ご本尊が弘法大師とゆかりがあるため、 老翁の姿になったのかもしれません」 と推測する。

また同像は、 江戸時代には本堂に祭られていたが、 明治元年(1868)の神仏分離令(神仏判然令)により本堂裏の古い社(やしろ)に遷され、 ひっそりと祭られていたという。

復興のきっかけは3年前、 山本副住職がその古い社を掃除した際に、 紛失していたはずの白キツネの左耳を発見したこと。 「きちんと祭らなければ」 と家族と話していると、 突然1台の軽トラックが境内に現れ、 見知らぬ男性が 「この社を使ってください」 と置いていった。 山本副住職は 「お稲荷さまの使いかと思った」 と振り返る。

さらに社のための土台石を寄進する人も現れ、 赤い鳥居を建てて今回の復興となった。

山本副住職は、 「お稲荷さまの御利益は商売繁盛、 五穀豊穣(ほうじょう)、 病気平癒、 厄よけなどです。 22日は開運写経会(午前10時から、 1000円)やもちまきも行います。 檀家さん以外の一般の方もどうぞお越しください」 と話している。 法要は午前11時半から。

21日までの拝観申し込みや問い合わせは同寺(TEL073・424・7633)。





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