2011年06月08日

00.社会

保育活動に「脳科学」 名草幼が導入へ

保育活動に「脳科学」

保護者対象に開かれた説明会(正面・武田理事長)

和歌山市紀三井寺の学校法人名草幼稚園(武田典也理事長)で今後、脳科学を取り入れた珍しい保育活動が始まりそうだ。提唱するのは、同市塩屋の学習塾(株)アレック(長洲央訓社長)。同塾は、脳内メカニズムに基づいて学習意欲を高める教材「セレンブレイン」を開発。脳科学を教育に導入する学校は、兵庫県や沖縄など全国の一部小学校で数例あるが、幼児期からの導入は全国でも珍しく、県内では初という。

セレンブレインは、脳内のひらめきを学習応用したパズル。問題を解いた時、「そうか、分かった!」と、脳内で楽しいと感じるドーパミン(神経伝達物質)が出る。これを感じると人は「次も感じたい」と思うようになり、行動が動機づけされ、やる気や集中力、モチベーションが高まる。同教材はこの仕組みを学習に生かした。
解くパズルは簡単過ぎず、難し過ぎない、回答者にぴったり合った難易度が必要で、塾では約4万種類を考案。解いた時に「天才!」と褒めてあげることで達成感、自己肯定感がさらに増し、楽しみながら「次も勉強したい」と感じるようになる。

従来の詰め込み型の学習とは違い、自ら学ぶスタイルは業界では異端とされがちだが、導入している同塾では、約9割の子どもにやる気や思考力、成績アップがみられ、結果も出ている。平成21年7月には、県内中小企業で優れた技術や特許を持つ企業を県のホームページで紹介する、県の産業表彰制度「1社1元気技術」にも選ばれている。

先日、同園で保護者を対象に説明会が開かれ、教材の特徴などが説明された。同園には現在3歳から5歳までの計245人が入園中で、今月から4、5歳児を持つ家庭で希望者を対象に体験会を開催する。7月から本格的に始める。こうした脳科学は「脳トレ」などテレビ、新聞などマスコミでも有名になった。脳科学と幼児教育に対する知名度も徐々に上がりつつある。同園のように早期導入する保育園や保育所が増える可能性もあり、さらに幼稚園と学習塾との関わりが珍しいこともあって、全国から注目を浴びそうだ。

武田理事長は「私は素人だが、若い時の経験は大人になっても忘れていないもの。子どもたちのより良い心の発達につながれば」と期待。長洲社長は「幼い時期から楽しみながら学ぶことはこれから大切になってくる。セレンブレインが子どもの考える力を養う助けになれば」と話している。





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