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夜間照明を頼りに着陸するドクターヘリ |
県立医科大学(和歌山市紀三井寺)は13日から、ドクターヘリが日没までに同大屋上のヘリポートに着陸できない場合に備えて、同市西浜の県警専用飛行場外着陸場(通称西浜ヘリポート)で夜間照明の点灯を導入する。先日、日没後に着陸訓練が行われ、ドクターヘリがヘリポートへ降り立ち、要救助者を救急車で搬送できるか確かめた。
同大屋上のヘリポートは、予算や周囲住民の承諾などの点で夜間照明の早期設置は難しい状況という。
同大のドクターヘリは、要請場所までの往復飛行時間と日没時間を見て、出動を決める。そのため日没前1時間をきると、紀中や紀南からなどの要請はキャンセルせざるを得ないという。夕暮れ時は事故が多く、昨年中は日没直前に8件出動、年間十数件は日没に間に合わないと判断して要請をキャンセルしている。日没直前の出動の場合、現場の処置にも緊迫感が漂うといい、同大でも日没に間に合わず、別の病院のヘリポートへ着陸したケースもある。
今回、西浜へリポートに離着陸の範囲を示す境界灯11個、進入や離着の方向を示す境界誘導灯5個の合わせて16個を設置した。訓練には同大、和歌山市消防局などから約20人が参加。串本町の山間部で交通事故が発生したと想定した。ドクターヘリは照明の明かりを頼りに、ヘリポートへ降り立った。
ヘリを運転した同大ドクターヘリ運行指令センターのパイロット、辻本博史さん(45)は 「周りに建物がなく、進入方向もはっきりと分かった」 、同大救急集中治療部、准教授の中敏夫さん(同)は 「今後、東南海・南海地震などがあれば、初動活動で患者の搬送は重要になる。夜間飛行の気持ちの担保になった」 と話していた。
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