2011年06月25日

00.社会

美術品盗難に備え 和校生が3次元でデータ保存

3次元デジタイザー

測定器を使いお面のデータを取る生徒ら

全国で多発している仏像など美術工芸品の盗難を受けて、県教委は、所有者に写真などの記録を徹底するよう呼び掛けている。記録方法の一つとして、県立和歌山工業高校(西英雅校長)産業デザイン科は、レーザーによる測定技術 「3次元デジタイザー」 でデータ保存に協力。レプリカも作成できる。希望する人は各市町村の教育委員会に連絡する。

盗難などの万一に備え、現物がなくなっても被害品を特定しやすいようにと、県教委が3次元での測定技術を持つ同科に協力を依頼。所有者の防犯意識向上とともに、高校生の文化財への関心を高めようと連携が決まった。

同科はこの測定技術を使って、県立博物館(同市吹上)で触って楽しめる館蔵品(お面)のレプリカを作成しており、最近では同博物館で開かれている企画展 「中津川行者堂の文化財」 の仏像レプリカを作った実績がある。

データは、3次元デジタイザーの赤外線で表面を測定し、パソコンでデータを補修。レプリカを作る場合は、3Dプリンタでプラスチックを溶かし、何層も重ねて造形する。測定自体は費用はかからないが、レプリカは1時間当たり1000円が必要(70センチのもので3~4時間かかる)。金属や真っ黒な物は読み取れず、1メートルを超える大きな物は生徒が実際に取り組んだことがないため、相談の上検討するという。また、測定は授業の一環として行うため、希望に添えない場合もある。

同科は生徒の社会貢献活動にもつながるとし、3年生の松本珠侑さん(17)は 「(文化財のデータ収集は)やってみたい気持ちが大きい」 と話している。

問い合わせは市文化振興課(TEL073・435・1194)へ。





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