2011年07月21日

00.社会

被災者が「ママさん剣道教室」の生徒募集

「剣道で和歌山に恩返しをしたい」と佐藤さん

「剣道で和歌山に恩返しをしたい」と佐藤さん

東日本大震災で福島県富岡町から和歌山市に避難している佐藤勉さん (66) が 「ママさん剣道教室」 の開講に向けて、 生徒を募っている。 開講日の8月29日には、 同市和歌浦南の片男波公園・健康館で無料の体験会を開く。 福島でも同様の教室を開いていた佐藤さんは 「和歌山の皆さんに恩返しをしたいと考えた時、 56年続けてきた剣道しかないと思った。自分が学んできたことを伝えたい」 と話している。

佐藤さんは震災発生の6日後、 立ち入り禁止区域となった同町から、 妻の和子さん (61) と娘2人の住む同市へ避難。 同町で剣道教室を開いていた佐藤さんは、 各地に避難しばらばらになってしまった子どもたちのことを思うと、 苦しくて仕方なかったという。 しかし、 「指導者として一歩前に踏み出さなければ」 と決意。 和歌山へ来た3日後には、 知人を通じて剣道を始め、 今は海南市大野中の体育館で週3回、 少年剣道教室 「弘道館」 の生徒たちを指導している。

佐藤さんは昭和47年に富岡町少年剣道団を立ち上げた。 県内では知られた強豪チームで、 生徒は多い時で小中学生を中心に140人いたという。 昨年夏の 「全日本少年剣道錬成大会」 小学生の部でベスト8の成績を残すなど、 剣道の名門。

56年には、 女性の健康維持・増進を目的に、 「ママさん剣道クラブ」 を開講した。 親子一緒に剣道を楽しんだり、 肩凝りの解消やヒップアップに効果があると好評で、 メンバーは20代半ばから50代半ばまで約30人。 ほとんどが初心者であったにもかかわらず、 発足一年足らずで7人が初段を取るまでの成果を上げている。

佐藤さんは福島でのノウハウと経験を生かしたいといい、 「自分が今、 剣道で汗を流せることは幸せ。 女性の剣道愛好者を増やし、 剣道の普及に努めたい」 と話している。

体験会は午後1時から。 教室は女性が対象で、 経験、 年齢は問わない。 練習は毎週水曜日。 午後1時から3時で、 会費は1カ月2000円。 申し込み、 問い合わせは佐藤さん (TEL090・4880・9638)。





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