2011年07月25日

03.スポーツ/06.特集/第93回全国高校野球選手権大会、和歌山大会

市高、桐蔭、智弁、海南が8強に名乗り 

サヨナラ勝ちを決め、ベンチを飛び出す市和歌山ナイン

サヨナラ勝ちを決め、ベンチを飛び出す市和歌山ナイン

連日、紀三井寺球場で激戦が繰り広げられている第93回全国高校野球選手権和歌山大会は、23日の第2試合から3回戦に突入。市和歌山、桐蔭、智弁和歌山、海南ら強豪、古豪が続々と8強に名乗りを上げた。シード校の箕島と対戦した市和歌山は鮮やかなサヨナラで勝利をつかみ、 桐蔭は初芝橋本との延長戦を制した。 智弁は好投手門口を擁した日高を終盤の逆転で下し、打線好調の海南は粉河を6回コールドで破り圧勝した。

◇23日・第2試合

箕島
0000100001
市和歌山
0000000112

〔箕〕 川口―中谷 〔市〕 上―井上、 福本▽2塁打=唐﨑、 中谷 (箕) 浮田、 上 (市)

1点を追う市和歌山は8回、 内野失策と四球で2死2、 3塁とし、 三家が中前に同点の適時打を放った。 最終回、 浜田の中前打に犠打を絡め1死2塁とし、 続く上が左翼線に運んで逆転。 春の近畿大会代表校箕島をサヨナラで下した。 投げては、 先発したエース上が5回以降毎回得点圏に走者を進めたが、 要所を抑える粘りの投球で9回を1失点で切り抜けた。

真鍋監督は 「ノーエラーで粘り強く戦えたことがうれしい」 と話していた。



桐蔭 延長で初芝下す
◇23日・第3試合
桐蔭
001000010000024
初芝橋本
000000110000002

(延長14回)
〔桐〕 根来、 久田―明渡 〔初〕 城野、 小野、 田中―谷口

大会8日目にして初の延長戦にもつれ込んだ接戦は伝統校のパワーに軍配が上がった。 桐蔭は同点で迎えた延長14回、 内野安打と犠打で1死2塁と好機を演出し、 田伏の左中間2塁打で勝ち越しに成功。 さらに1死1、 3塁と攻め、 明渡の内野ゴロの間に1点を追加した。 投げては10回裏、 無死2、 3塁のサヨナラのピンチに、 マウンドに上がった久田が圧巻の投球。 三振、 投手ゴロ、 三振で切り抜け、 チームの勝利に大きく貢献した。

伊藤監督は 「選手が本当に成長してくれていて感動した。 次戦(市和歌山)は厳しい試合になる。 接戦で少ないチャンスをものにしたい」 と話していた。
延長14回表、1死2塁から勝ち越しの左中間2塁打を放つ田伏
延長14回表、1死2塁から勝ち越しの左中間2塁打を放つ田伏



智弁 連打で日高を逆転
◇24日・第1試合
智弁
1000000304
日高
0020100003

〔智〕 青木―道端 〔日〕 門口―水口▽2塁打=道端(智)

智弁は初回、 道端の適時打で先制したが、 3回に逆転、 5回には追加点を許した。 2点を追う8回、 2死2、 3塁と攻め、 中村が右前打を放ち同点。 続く道端の左前適時打で逆転に成功した。

エース青木は序盤から走者を背負う苦しい展開だったが、 終盤はコントロールが安定。 2回以降毎回の10奪三振の力投で粘りを見せた。

髙嶋監督は 「接戦になるのは頭にあった。 次も普段通りやるだけ」 と話していた。
8回表、2死2、3塁から中村の適時打で同点の本塁へ生還した川崎
8回表、2死2、3塁から中村の適時打で同点の本塁へ生還した川崎


海南 猛打で粉河に圧勝
◇24日・第2試合
海南 0041611
粉河010001
(6回コールド) 〔海〕 楠―黒原 〔粉〕 若林、 清原―乾▽本塁打=中西(海)▽3塁打=小中(海)▽2塁打=黒原、 石田里、 中川、 楠、 田村(海)

1点を追う海南は3回、 黒原の適時打で同点。 さらに2、 3塁の好機で中西が右越え本塁打を放ち3点を奪った。 6回には、 長短4安打に死球を絡め、 一挙に6点を奪う猛攻で試合を決めた。

森本監督は 「つなぐ野球ができた。 1戦づつチーム力は高くなっている。 次も自分たちの野球ができれば」 と話していた。

粉河は2回、 2死1、 2塁から若林の左前適時打で先制したが、 中盤以降は海南にペースを握られコールド負けを喫した。
3回裏、2死2、3塁から左越えに本塁打を放つ中西
3回裏、2死2、3塁から左越えに本塁打を放つ中西

最後まで仲間を信じ―粉河 奥田副主将
奥田副主将は1塁コーチとして打席に立つ打者に声を掛け続けた。 「まだいける。 気持ちを強く持て」。
大会まで1カ月を切った6月末の練習試合。 左翼手として出場していた奥田は左手の甲に死球を受けた。 手はひどく腫れ上がり、 震えが止まらない。 バットを握ることもできなかった。 試合後、 病院で診断を受けた。 医師から 「骨にヒビが入っている」 と告げられ、 奥田の顔は青ざめた。 診断後、 電話で主将の魚山に結果を報告する。 「治るまで勝ち続ける。 だから早く治して帰ってこい」
奥田は試合に出たい気持ちを押し殺し、 少しでもチームの役に立てるように専念した。 声を出してナインを鼓舞し、 攻守交代時にはグローブなどを手渡しに駆け寄った。 だが、 チームは3回戦で敗退。 奥田は試合に出ることなく最後の夏を終えた。 そんな奥田に対して 「勝てなくてごめん」 と涙を浮かべる魚山。 奥田は 「試合には出れんかったけど、 1勝でもしてくれたこと、 一日でも長くみんなと野球ができたことに感謝しています」 と笑った。
最後まで仲間を信じ―粉河 奥田副主将



◇24日・第3試合

南部
21002038
笠田
00000011

(7回コールド)
〔南〕 畑木―升崎 〔笠〕 宮本、大楠、平田―西川▽本塁打=大野(南)▽2塁打=松根、畑木(南)





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