2011年08月03日

00.社会

アサリ食害説有力に 片男波潮干狩り場

和歌山市などが片男波潮干狩り場(同市和歌浦南)の干潟にネットを敷設して、アサリの増減を調べている調査で、アサリの稚貝を放流していないネット内で数が増えていることが分かった。干潟に自生しているアサリが、エイなどの外敵にさらされないために数を増やしたとみられる。食害説を裏付ける証拠の一つになりそうだ。

同所での潮干狩りは3年連続で中止。市内で潮干狩り場がない状態が続き、来年度以降の見通しも立っていない状況だ。

アサリが消えた原因は、貝を食べるツメタガイやエイなどによる「食害説」と「環境変化説」があるとされていたが、これまでの調査でネットを敷設した場所では放流したアサリがその数を順調に増やしたたため、食害説の可能性が大きくなっていた。

放流すれば増えることが分かったため、市はことし3月、今度は放流せずにネットだけを敷設する試みを実施。6月の第1回調査では、ある地点で1平方メートル中240個、8月2日までに行った第2回調査でも227個を確認することができた。1回目では1センチ以下195個、2センチ以下37個で、2回目は1センチ以下16個、2センチ以下164個となり、順調に生育していることも分かった。

一方で、ネット外の数も調査。第1回調査で64個(1センチ44個)だったが、第2回調査ではゼロにまで減少。これは、2センチ前後になると大きさが目立つため、エイやツメタガイの標的になり、食べられてしまったと考えられるという。他の調査地点でも同様の結果となった。

農林水産課は、「やはりネットを張ることは有効的。ただ、干潟全体に敷設するとなると時間と費用が掛かり過ぎる。簡単な作業でできるように効率的な方法を考えたい」と話している。





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