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意見を交わす地方鉄道沿線住民ら |
廃線の危機を乗り越えた和歌山電鐵(株)貴志川線の住民運動を学ぼうと、 同じく廃線の危機にある神戸電鉄 「粟生 (あお) 線」 の沿線住民7人が21日、 和歌山市の伊太祈曾神社で 「貴志川線の未来をつくる 会」 (濵口晃夫会長) と交流した。
粟生線は三木、 小野、 神戸の3市を横断する全長29キロの路線。 年間の利用者は平成4年のピーク時から半減し、 現在700万人 (貴志川線は200万人) に落ち込んでいる。 赤字の額は10年連続で10億円を超えている。 将来の展望が見えない状況に運営する神戸電鉄は 「自治体の補助がなければ、 ことし中にも廃線か存続かを検討する」 との方針を固めているという。
この日、つくる会がこれまでの経緯を説明。南海電鉄当時、貴志川線廃線が表面化し始めた平成16年に沿線住民で会を発足。シンポジウムなどで、存続に向け世論を巻き込む運動を図ったことなどを話した。粟生線存続に向けたアドバイスとしては、住民組織の形成▽神戸電鉄の赤字内容の情報開示▽鉄道を残す必要性を明確にして発信する▽地域にとって鉄道を残す優位性をアピールするなどが提案された。
また、 粟生線沿線住民からの 「まちの人口が減少していることで存続を強く言えない」 との現状報告に対し、 つくる会側が 「こちらは200万人の乗客で存続した。 粟生線は700万人もいるではないか。 もっと頑張って」 と叱咤激励する場面もあった。 参加した粟生線の市民代表、 板東聖悟さん (37) =三木市在住・市議会議員=は 「どのように活動すればいいのか分かりませんでしたが、 今回の交流で 『まずは住民組織をつくる』 という明確な目標ができました」 と話した。
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