2011年08月24日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

廃線乗り越えた貴志川線の活動学ぶ 神戸の住民

神戸電鉄 「粟生 (あお) 線」

意見を交わす地方鉄道沿線住民ら

廃線の危機を乗り越えた和歌山電鐵(株)貴志川線の住民運動を学ぼうと、 同じく廃線の危機にある神戸電鉄 「粟生 (あお) 線」 の沿線住民7人が21日、 和歌山市の伊太祈曾神社で 「貴志川線の未来をつくる 会」 (濵口晃夫会長) と交流した。

粟生線は三木、 小野、 神戸の3市を横断する全長29キロの路線。 年間の利用者は平成4年のピーク時から半減し、 現在700万人 (貴志川線は200万人) に落ち込んでいる。 赤字の額は10年連続で10億円を超えている。 将来の展望が見えない状況に運営する神戸電鉄は 「自治体の補助がなければ、 ことし中にも廃線か存続かを検討する」 との方針を固めているという。

この日、つくる会がこれまでの経緯を説明。南海電鉄当時、貴志川線廃線が表面化し始めた平成16年に沿線住民で会を発足。シンポジウムなどで、存続に向け世論を巻き込む運動を図ったことなどを話した。粟生線存続に向けたアドバイスとしては、住民組織の形成▽神戸電鉄の赤字内容の情報開示▽鉄道を残す必要性を明確にして発信する▽地域にとって鉄道を残す優位性をアピールするなどが提案された。

また、 粟生線沿線住民からの 「まちの人口が減少していることで存続を強く言えない」 との現状報告に対し、 つくる会側が 「こちらは200万人の乗客で存続した。 粟生線は700万人もいるではないか。 もっと頑張って」 と叱咤激励する場面もあった。 参加した粟生線の市民代表、 板東聖悟さん (37) =三木市在住・市議会議員=は 「どのように活動すればいいのか分かりませんでしたが、 今回の交流で 『まずは住民組織をつくる』 という明確な目標ができました」 と話した。





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