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「これで見納めになるのは寂しく、 感慨深い」 と話す運営委員ら |
来年3月末で閉館する、 海南市下津町上の下津歴史民俗資料館 (中谷澄雄館長) で4日、 見納め展 「もう一度みたい絵・書・文書・工芸展」 が始まる。 これまで約33年間にわたり、 古文書や民俗資料など1万点超の文化財を展示してきた。 運営委員らは 「最後の展示なのでぜひ足を運んでほしい」 と来場を呼び掛けている。
同館は昭和53年5月1日、 国宝長保寺の敷地内に開館。 運営委員が地域から文化財を借りて紹介するなど、 「地元に根差した展示」 を心掛けてきた。
運営委員の中に学芸員はおらず、 自分らで資料などを分析し、 説明文を手作りするなど苦労も多かった。 ただ、 借り物を返す時には、 説明文の展示パネルも一緒に返し、 持ち主に感激されることもしばしばあり、 やりがいは大きかったという。
初期から運営に関わってきた良田秀俊さん (81) は 「民家で思い掛けない美術品に出合うこともあり、 自分らも楽しかった。 住民の協力のおかげです」 と懐かしそうに語った。
今回の展示には、 過去の展示から選りすぐった古銭、 絵画、 工芸品、 土器など約100点を並べた。 下津町仁義地区で作られたミカンが、 遠くはロシアのウラジオストック (書簡では浦潮斯徳と明記)、 中国の大連などに流通していたことが分かるなど、地元ならではの資料も鑑賞できる。
月・火曜日休館。 開館時間は午前9時~午後4時半。 無料。 問い合わせは同館 (TEL073・492・4826) へ。閉館まで展示する。
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