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髙木さんの心温まる作品が並んでいる |
闘病中だった和歌山市三葛の折り紙作家、 髙木陽行(はるゆき)さん(77)が、 1日死去した。 髙木さんが最後の作品展として準備し、 2日から同市七番丁のモンティグレ (ダイワロイネット和歌山)1階ギャラリーで始まった個展「続・癌を道連れにうたを折る」 が、 期せずしてお別れの展示となっている。
髙木さん
髙木さんは折り紙歴60年。 小学校教諭時代から個展を開き、 日本折紙協会講師、 和歌山おりがみの会事務局長などを務めた。 退職後も公民館などで指導し、 子どもと一緒に楽しむ他、 後進を大勢育てている。
余命1年の宣告を受けた後も工夫して折り紙制作を続け、 昨年12月には市内のギャラリーで個展 「癌を道連れにうたを折る」 を開き好評を得た。 病状が悪化し、 県立医大付属病院の緩和ケア病棟に入ってからも、小品を折っては周りにプレゼントしていた。
今回の個展は、 妻の敦子さんへの今までの感謝を込めて企画したといい、 「淋しいか 問いかけ目脂取りてやる子よりも長し猫とのくらし」 などの敦子さんの短歌10首と、 それぞれの歌に合わせて創作した立体的な折り紙額絵作品を並べている。
また、髙木さんが同展のために用意していた「来場の皆様へ」という文章には、 「体力的にももう折れません。 中座しましたが、 楽しい有意義な折り紙人生をありがとうございました」 などと思いがつづられている。
敦子さん(78)は、 「しんどい中よく頑張ったと思います。 折り紙があり、 楽しみ、 したいことがあったからでしょう」 としみじみと話している。
偶然通りかかって思わず見入ったという同市秋葉町の坂本和朗さん(55)は、「日本の田舎の風景が心引かれます。 おばあちゃんとか子どもとか、いいですね」 と話していた。
同展は15日まで開かれている。
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