2011年10月12日

04.文化・くらし

保田龍門生誕120年で特別展示 近代美術館

保田龍門生誕120年で特別展示 近代美術館

南方熊楠の胸像原型右と約5・6メートルの「光明皇后賜療」

現・紀の川市生まれの画家・彫刻家、 保田龍門(1891~1965)の生誕120年を記念する特集展示が12月4日まで、 和歌山市吹上の県立近代美術館で行われている。 早熟な才能をうかがわせる13~14歳ころの水彩画 「台所」 から、 最後の作品となった南方熊楠の胸像石膏原型まで、 代表作や初公開作を含む油彩やデッサン、 ブロンズ像約80点が紹介されている。

龍門は東京美術学校の卒業制作作品が第11回文部省美術展覧会で特選を受賞。 第6回再興院展で彫塑《肖像》が樗牛(ちょぎゅう)賞受賞。 米国とヨーロッパに渡り、 フランスの彫刻家アントワーヌ・ブールデルが教える美術教室で学んだ。

帰国後は和歌山大学や大阪市立美術研究所で後進の指導に当たり、 県庁や紀陽銀行本店の壁面彫刻、 静岡県下田市の吉田松陰像、 名古屋市の平和堂も手掛けた。

展示作品は、 東京美術学校時代の油彩自画像や鉛筆デッサン、 ヨーロッパ留学中に描いた画家ティツィアーノの模写、 ブロンズ像 「アンドレの首」、 欧米の感性を吸収して作り上げた龍門スタイルのブロンズ像 「少女」、 横5・6メートルほどの油彩 「光明皇后賜療」 などで、 穏やかな中にもしっかりした造形力がうかがえる。

同館の寺口淳治学芸員は、 「真面目な方で、 ずっと手を動かしていたかったのでしょう。 デッサンなどからもそんな感じが伝われば」 と話している。 月曜休館。 問い合わせは同館(TEL073・436・8690)。





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