2009年04月14日

00.社会

封書「生活保護課」に市民から疑問の声

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男性のもとに誤配された封筒。 生活保護課の文字が目立つように印字されている

和歌山市が生活保護受給者らに通知書などを郵送する際に使う封筒に 「生活保護課」 と目立つように印字されていることを問題視する声が、 市民から上がっている。 市によると130の課を抱える市役所の事務の混乱を防ぐための措置だというが、 今後、 生活保護受給者のプライバシーを守るため、 さらなる配慮が求められそうだ。

封筒の右下には、送り主として市役所の住所や電話番号とともに、「和歌山市福祉事務所生活保護課」と記されており、特に「生活保護課」という文字が目立つように大きくなっている。
先日、市内に住む男性会社員(38)のもとに生活保護課から封書が誤配された。宛名は近くのアパートに住む男性のもので、ポストから取り出した男性は「申請もしていないのに、生活保護課からの封書が届いているので驚いた。個人名も記載されているし、課の名前をここまではっきりと書かなくてもいいのでは」と首をかしげる。
市総務課によると、封筒に送り主の課や班名を記入する規則はなく、「課や班の裁量」になっているという。社会福祉部(市福祉事務所)によると、同部には、「生活保護」「障害福祉」「高齢者福祉」「保育所管理」「こども家庭」の5課があり、「課名を書かなければ、不着などで封書が戻ってきたときに事務が混乱する」という。ただ、生活保護や障害福祉という文字は封書に「書かないでほしい」とする声は少なからずあるようで、 同部の森好孝部長は「さまざまな意見を考慮し、事務側、受給者の面からトータルで考なければいけないこと。我々も(誤配など)すべてが完璧でないことを想定しなければ」と話している。
人口や市役所の課数の違いで単純比較はできないが、 近隣の海南市では 「社会福祉課社会福祉係」、 岩出市は 「福祉課」、 紀の川市は 「社会福祉課」 でとどめており、 封書を見ただけでは生活保護に関するものだとはわからなくなっている。 岩出市福祉課は 「(生活保護であることは) なるべくわからないように配慮している」 と話している。 また一方で、 人口が和歌山市とほぼ同じで中核市の奈良市(37万人)は「保健福祉部保護課」と記入して郵送しており、同市の市民からは「個人のプライバシーより、自らの事務処理を優先するのはどうか」という声も出ている。
和歌山市の20年度2月末時点での生活保護件数は5368件、7019人で、19年度同月と比べ176件、317人増加している。



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