2009年04月15日

00.社会

県内最後の「街の映画館」閉幕

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入場口で思い出を語る藤本支配人

『洋画のパレス』と親しまれた和歌山市美園町の映画館「ニューパレス劇場」(藤本直嗣支配人)が24日、39年の歴史に幕を降ろす。最後の作品は現在上映中のスティーブン・セガール「雷神 - RAIJIN - 」。個人が経営するロードショー館としては県内で最後の映画館だっただけに、映画ファンからの寂しがる声が後を絶たない。

ニューパレス劇場は昭和45年12月12日、藤本支配人の父親が現在の場所にオープン。JR和歌山駅前の映画館として、和歌山市内だけでなく御坊市など中紀地方からの観客も来場してにぎわった。
平成5年に岸和田市に8スクリーンを持つ外資系映画館が登場して以来、映画館は全国的に複数のスクリーンを持つシネマコンプレックスが主流となってきた。市内でも平成16年に10スクリーンのジストシネマ和歌山が誕生するなど観客の流れが変わり翌17年、ぶらくり丁のシネマプラザ築映が閉館。ニューパレス劇場は唯一の「街の映画館」として多くの映画ファンの支持を集めていた。
藤本支配人は「昭和58年の『南極物語』、平成9年の『タイタニック』がピークだった。劇場の前から300mほどの列ができたこともある」と振り返り、「時代の流れには逆らえなかった」と淡々と話す。
映画好きの市内の男性(38)は「高校が近くだったので昔は大作を何度も観に来た。支配人さんがとても親切で、ポスターをもらったこともある。最近では山田洋次監督の特集など、企画がおもしろく、頑張っているな、と思っていたのに...」と残念がった。
ニューパレス劇場は、地下の成人映画専門館「駅前名画座」については閉館後も営業を続ける。



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