魚偏に「暑」と書いてシイラ。イルカのようにピョンピョン跳んで、船に近寄ってくるので英語ではドルフィンフィッシュという。英語圏の本か何かで「ドルフィンを食う」みたいな表記があって、日本人が「捕鯨を反対してるくせにイルカを食っとる!」とわーわー言ってたことがあった気がするが、それはたぶんシイラのこと。
ハワイじゃマヒマヒ、スペインじゃドラド(黄金)、タイワンのタオ族は神の魚と崇め、アラヨと呼ぶ。なんとも神秘的な名前で、実際にシイラはとってもきれいな魚。でも日本名の「シイラ」は、薄っぺらい体が十分に実らない籾(=しいな)に似ていることから、シイラと呼ぶようになったという。ほか、方言では水死体のそばにいるからシビトクライ(死人食らい)やらと呼ばれ、「ネガティブキャンペーン的なもの」の標的になっている。おかげで水産価値はほぼゼロ。紀南方面じゃ1kgあたり50円とか(泣)。鮮度のいいものは、まあまあおいしいのに。マヒマヒ料理は高級だし。
「万力」の別名の通り、引きが強烈。したがってルアー釣りのターゲットとして絶大な人気。
写真はお盆休みに中紀の磯から釣った小型のシイラ(ペンペン)。写真を撮ってすぐリリース。お盆に殺生はいかんからね(ほな釣りすんなよ)。ちなみに同行のY氏は結構デカイのを4回ヒットさせてオールバラシ。師匠、いくら釣り上げたあとが楽とはいえ、跳ねる魚に「バーブレス」はバクチです。(海)