世間では運動会シーズンたけなわですが、浜辺でもええオッサンが真剣な顔つきで全力疾走――。
先日来、中紀から南紀のサーフに10cmほどの背黒(カタクチイワシ)が大量に接岸。それに、ツバスやらスマ(ヒラソウダ)、メジカ(マルソウダ)、チヌ、本ガツオ、サメ、エイ、カマス、スズキ、ダツ(オキザヨリ?)、ヨコワ(まぐろのちこいん)、タチウオやら、確認できたものだけでも相当な魚種のフィッシュイーター(※魚食う魚)が背黒を狙って「祭り」を展開。サーフでのナブラ撃ちは、アングラーにとって最もテンションが上がるゲームではないでしょうか?
走るオッサン。矢印が背黒の群れ
ナブラが出ると浜辺で待ちかまえていたアングラーがそこに向かって目の色を変えて全力疾走。私もその中にまぎれてロッド片手に走りまわったわけですが、そのときばかりは「ボルトにも勝てるはず」と思うほどアドレナリンが出ます。とにかく脚が速くて、走りながらでもナブラに正確にルアーをキャストすることができる人が結果を出すという、まさに「スポーツフィッシング」的な要素が強いのです。しぶきで波打ち際が真っ白になることもしばしばでしたが、その様子が写真に撮れてないのは、僕自身「カメラマン<アングラー」の公式が当てはまるから。簡単に言えば「魚おるのに写真ら撮ってられるかい!」ということです。
ちなみにナブラが出たあとの浜辺はこんな感じ。背黒の群れが打ち上げられ、それにトンビやらカラスが群がってきます。魚に追われ、打ち上げられ、鳥に食べられる。なんともやるせない生き物です。
これだけ魚種があれば、何が釣れるかは宝くじ的な要素もあります。「なんか持ってる」マルチアングラー山本典史さんは、夕マズメにしれっと現れていきなり本ガツオ(1等)を引き当てました。
ちなみに僕はツバス(3等)やらハリセンボン(特別賞)やらをゲットン。あと正体不明のビッグワンと2回やりとりしましたが、2回ともばらしてしまいました。たぶんサメかな。
わが師匠、負のオーラ使いY氏は、ツバスとチヌをゲットンです。
この運動会、みんなが竿を持って汗だくで浜辺を右へ左へ。まさに魚(うお)追う竿(右往左往)状態。親父ギャグもむなしく僕はペットボトル2本を消費しましたが、地元のツワモノアングラーかじやんが沖からボートで涼しげに浜辺の様子を傍観。「みんな必死で走り回るのがおもしろかったわ」と、生中継を楽しんでいました。