平安時代を生きた史上最強の呪術師・安倍晴明を祀る社が、龍神村にある。
道の駅・日高川龍游から日高川を遡るように東進、途中で支流の丹生ノ川に沿って進路を東にとる(県道735号・龍神十津川線)。民家はどんどん少なくなるものの、道路は整備されていて心地よいドライブコースとなっている。暫く進むとトンネルが現れるので、その手前で谷側に靴先を向け、林道のような道を進んだところに社は突然姿を見せる。
あまりに唐突である。社自体大きなものではないが、それこそ林業関係者しか足を踏み入れないような道の先にホツリと存在する。掃除は行き届いており榊も新しいことから、忘れ去られた存在ではないのだろう。しかし、我々の知る、あの華々しいイメージとはかけ離れた、簡素な社殿である。
屋根の社紋(?)と、建碑の五芒星だけが、安倍晴明を祀る祠であることを主張しているように見える。
村史によると、
とのことで、そのベースとしてこの土地には、こんな伝説が残っている。
祠の正面は深い谷になっている。
付近が「晴明転がし」であろうが、ここぞという場所は確認できず。この当りは清流だが流れが激しく蛇行しており、それっぽい淀みもあるんだけれども、どこが「晴明淵」かは分からなかった。この丹生ノ川の対岸、笠塔山にも晴明伝説が残っている。