なんとも素敵な品々と女性に出会いました。「東北の恵み 手仕事」ゆずりは和歌山展。手仕事の伝統を現代の暮らしに生かそうとデザインした品々は、とにかく美しく、凛としていて、懐かしい優しさがあって、洗練されていて、なんとも説明できません。
自然の厳しさと恵み、人間の謙虚さと強さ賢さに感動しましたが、私の下手な説明はかえって余計。写真を3枚だけ紹介しますが、皆さん、実際に会場でご覧になってください。和歌山市十二番丁のMsギャラリー12番丁で22日までです。
一目惚れしたのが秋田杉で作った花器。桶のようだけど〝たが〟がありません、木の表情とフォルムが本当に素敵!
なんと、昔の大福帳(もちろん紙)をこよりにしたのをよこ糸に、絹をたて糸にして織った帯。柔らかくて強くて洗濯もできるそうです。大福帳の墨や朱の文字がそのまま織り込まれて模様になっています。昔は紙でも布でもとことん大切にしたんですよね。
美しい着物姿の暮らしのクラフトゆずりは店主、田中陽子さん。お会いして「どちらの紬(つむぎ)ですか?」と聞くと、「長井紬です。帯は白鷹織」との返事。びっくりしました。東北といっても6つ県があり広いです。それなのに、長井(山形県)は私の出身地。白鷹は母の出身地でよく遊びに行ったところ。こんなことってあるんですね。 (千)