同じ和歌山県内でも、和歌山市からじゃ京都のほうが近い本州最南端の潮岬。その潮岬からどえらい釣果メールが届いた。なんとアオリイカ4.1㌔(胴長51cm)!! 釣り上げたのは地元串本じゃ、泣く子もだまるルアーフィッシャーマン、山形いつむさん。アオリイカは通常寿命が1年、その期間にどれだけエサを食えるかが大きくなるカギとも言われている。潮岬周辺はベイトフィッシュも豊富で、でかいアオリイカが釣れるので有名だが、4㌔オーバーはなかなかお目にかかれない。最近の漁師の間では「でっかいイカおって、魚全部食われてまうんよ」とおそれられ、不漁が続くという。そんな状況を打破すべく正義のアングラー山形氏が立ち上がったのだ。
山形氏は潮岬沖に巨大イカがいるポイントをしぼり、荒れ狂う下り潮の中、マイボート「YMGT号」(バンビ社製)でポイントに向かった。まずは得意のジギングで50cmほどのシオをゲット。そしてそのシオを泳がせたまま、巨大イカ退治を開始。するとすぐさま、ひったくるようなアタリがあり、ラインは一気に200mほど引き出された。山形氏はタイミングをみてヤエンを投入、「岬の主」の首根っこをつかみにかかった。
後は1回のロケット噴射で一気に100mほど走られてはリールを巻き取り、また100mほど噴射されるという白熱のバトルを展開。約3時間かけて船際に寄せてきたとき、すでに時間は真夜中、岸も見えなくなり、ライトでイカの姿を照らした山形氏はその大きさに驚愕。「で、でかい! たもに入らへん!」とさすがの百戦錬磨の釣り師も焦り、足が震えた。
やむを得ず最終手段のハンドランディングを試みたのはいいが、胴体をつかんだ瞬間、巨大イカは10本の足で山形氏の手首を力一杯に締め上げた。そしてそのまま、あの鋭いくちばしで指先をガブリ! 「イダーッ!」という悲鳴が響くとともに澄み切った黒潮の海は、山形氏の血で赤く染まり、血のにおいをかぎつけたのか、3m級のサメも集結。荒波の中、必死に船を操り、サメの猛攻を交わしてランディングしたのは4㌔オーバーのまさに「岬の主」だった。
「これで漁にも安心して出られる」。漁師たちは山形氏の功労を讃え、近く串本港に銅像を建てて、表彰するという。
(記事はすべて想像。たぶんエギで普通に釣ったと思われる)。