年に一度の潮岬オフショアトーナメント。昨年はまさかのノーフィッシュと終わったため、ことしは気合十分……の予定だったが、さまざまな事情でタックルの準備もままならないまま本番に突入。
まず、このトーナメント、シイラの部と他魚の部の2部門がある。朝イチは、コメツブ周辺の下り潮の激流の中から、樫野周辺でシイラを狙い、その後他魚の部も狙うというのが例年の王道パターンなのだが、ことしは大ギャンブルの一発他魚の部で優勝狙い。すさみ沖で20~50kgのキハダが回っており、その一本勝負という作戦に出た。
我がチームは過去にシイラの部で優勝経験のある師匠Y氏を始め、幾度かの入賞経験のあるU氏、さらにマグロキラー西澤君、谷中君、大谷さんという強者たち、ほんで、シイラの部準優勝経験のある私。だれか一匹くらいキハダをヒットさせるだろうと強気だった。
午前6時前、串本は有田漁港から出港した船団、皆が潮岬に向かう中、我々はすさみ沖に。「真っ直ぐ沖に出るん、ワシらだけやで~」と自分たちの無謀な賭けに船内大はしゃぎ。海鳥たちでさえ、みんな岬に向いて飛んで行ってたのが、また皮肉で笑えた。
ナブラを探しながら移動すること約1時間半。ようやく大きな鳥山を発見、全速力で近付き、射程圏内に入った途端、海面が炸裂。推定20~30kgのキハダが跳ね、全員がキャスト。数発は入ったのだが、ヒットせず。その後も単発では出るものの、大ナブラにはならずに、鳥山の下でキャストを続けても巨大キハダがヒットすることはなかった。
釣り終了は正午。残り10時半くらいまでは、キハダを狙ったものの、残念ながら撃沈。しかしながら、全員が入賞への執念を持ち続け、帰路につきながら、オーラスで役満狙い。深場のジギングでハタ類かカンパチに期待した。
そんな中、中層で僕に何かがヒット。「なんじゃろな」と、巻き上げてきて、海面から抜き上げようとしたところ、ポチャンと落としてしまった。背中が青かったので、サバかな? と思いつつも唐草模様が見えなかったし、濃い紺色だったのでソウダガツオの可能性も。なんせ50cmにも満たない魚だったので、別に気にも留めなかったが、これが後で悔いることに。
その次も中層でアタリがあり、これは結構ガツンと来たので、「おおっ! カンパチか!?」と思ったものの、そのままフッキングせず。
僕がそんなこんなでうだうだやってると、西澤君と谷中君にダブルヒット。西澤君はその後すぐに痛恨のラインブレイク。谷中君はゴンゴンと頭を振りながら走る引きに「でかい! カンパチか~」と意気揚々。もしカンパチなら確実に10kgクラス。一発逆転で他魚の部優勝も見えたが、その後の引きが鈍い。全員が「まさか…」と嫌な予感。神妙な面持ちで海面に釘付けに。
竿先にリーダーが入った。
あと数メートル。
上がってきたのは…
やっぱりサメだった。
10kgは超えてるな。なかなかでかい。でも、大会レギュレーションでサメはダメなのよ。2700円もしたジグがサメの歯でボロボロ。使い物にならなくなり、谷中君はへこみまくりだったが、西澤君いわく「手元に帰ってきただけマシや」。そらそうや。
その後大谷さんがアヤメカサゴを1匹追加。「珍魚賞」に一縷の望みをかけるも、箸にも棒にも引っ掛からなかったようだ。ちなみに僕がソウダガツオ(?)を落として悔いたというのは、他魚の部、優勝はなかなかのカンパチだったが、2位はソウダガツオ、2位はゴマサバ。これだと、十分に準優勝を狙えた。。。
潮岬オフショアトーナメントは、ことしで15回を数える船でのルアー釣りの大会。串本のラムサールの海が堪能できる大会。実行委員は頑張ってますので、来年はぜひとも参加を。(海)
竿何本あるねん。気合十分の船上