読書の秋。いま、母校・新宮高校の先輩で芥川賞作家「中上健次」を取り上げた文庫本の評伝を興味深く読んでいる。
「秋の夜長、読書で暇をつぶしている」と先日、姫路に住む知人から電話があってそう話したら、「今度、和歌山に行くから、中上健次を詳しく紹介している本持って行きますわ。知らないことたくさんあって面白かったよ」と言ってくれた。
豪傑なイメージのある中上は、実は少年時代は内気で恥ずかしがり屋。一方で作家になることを夢見ていた東京・浪人時代は、不良たちと付き合いや安保闘争との関わりなど興味は尽きない。
また、中上と関わったさまざまな人たちの紹介もある。中に私の高校2,3年の担任だった中谷忠男先生の名も。中谷先生は英語担当で、学校を離れれば中央界でも名を知られた詩人だった。そんな恩師宅に中上は自作の詩の批評を伺いに何回か訪れたという。
中上の小説は重厚で難解とのイメージがあり、はっきり言ってとっつきにくい。しかし、芥川賞受賞作「岬」はじめ、読者の皆さんにぜひ一読をお勧めしたい。
さて、秋競馬はいよいよ牡馬クラシック最終戦の菊花賞。距離3000㍍の長丁場であるゆえ、波乱も大いにある。本命は武豊のローズキングダムだが、「菊花賞馬は菊花賞馬から」と、長距離血統を重視し菊戴冠マンハッタンカフェ産駒のアロマカフェ⑰から行きたい。同産駒はこのレース5頭出走。①⑨⑬⑱も要注意。中上の小説も競馬も解くかぎは「血」だ。
【菊花賞】(24日京都)単勝・複勝⑰