桜の古木に生えたキノコです。
まるで桜の精を吸い上げたような桜色。
不思議ですね。
染織家から聞いた言葉を思い出します。
着物のほんのりした桜色は、ヤマザクラの緑の木質部分で染めたそう。
花から染めたのではないのです。
しかも1年のうちのわずか数日しか、その色は生まれないとか。
桜のピンクは木自体が秘めている色なのですね。
このキノコの色が桜の木からいただいた色なのかは謎。
撮影した「紅けい山房記」の筆者・多井忠嗣さんによると、実際はちょっと違う色だそうです。
でも高野山の金剛三昧院の古木と聞くと、そんなキノコがあっても不思議じゃない気が…。
(千)