スポーツから何を学ぶか 過去の栄光と失敗を糧に未来へ

玉置 公良

 2011年、 未曽有の国難の時期にあるこの国に希望をもたらすもののひとつは若者たちがスポーツで健闘していることです。

 8月6日、 私は岩手県北上で開催された全国高校総合体育大会の観客席にいました。

 私は田辺高校時代、 陸上部のキャプテンで、 800メートルの選手でした。 そしていま、 わが後輩、 吉田貴洋選手が同じ800メートルで決勝に進出したのです。 スタートの号砲が鳴り、 吉田君は前半二番手に付け、 ラストの100メートルでトップに立ちます。 「ヨ~シ」 と思いながら、 「抜き返されたらどうしよう」 と心配になり、 「ガンバレ、 負けるな」 とほえ続けました。 吉田君は見事一着でゴールイン。 日本一に。

 「やった~」 と私は飛び上がって喜びました。

 もうひとり、 田辺工業高校の出羽賢太郎選手が5000メートル競歩で日本一。

 こうした郷土の後輩たちに感謝、 感謝。 気分爽快な一日でした。

 このインターハイが東日本大震災の被災地のひとつである岩手県北上で行われたことも意義深いものがあります。

 タクシーのなかで岩手の運転手さんから聞いた言葉が忘れられません。

 「まさかこの大会がやれるとは思いませんでした。 よかったですよ、 中止しなくて…。 私たち地元の人たちは全国の若い人たちからエネルギーをもらい、 勇気づけられました」

 そのエネルギーの一部をわが郷土の若者が発信したことに誇りを感じました。

 さて話は変わりますが、 8月30日野田新総理が誕生しました。 新しい日本の出発です。 野田総理は、 柔道二段のスポーツマンでもあります。

 昭和36年、 3年後に控えたオリンピック開催を背景とした議員立法によりスポーツ振興法が制定されて以来50年ぶりに全面改正をし、 スポーツ基本法が実現しました。 この法律はスポーツの憲法といわれるもので、 私は成立に向けてスポーツ議連の委員として法案賛同提出者となり精力的に取り組んできました。 その結果超党派の議員立法として6月17日に成立、 8月24日に施行されました。 それを受け、 8月26日に田辺市において日本で一番最初のスポーツ基本法研修会を開催しました。 文部科学省スポーツ・青少年局、 スポーツサービス振興室長の森岡裕策氏を講師にお招きし、 真砂田辺市長を始め市民の皆様約200名が集まりました。 スポーツ基本法の特徴は、 全ての国民がスポーツをする権利を持つという 「スポーツ権」 を初めて明記し、 位置づけました。 また、 スポーツ推進のための整備、 総合型知己記のスポーツクラブの育成なども明記されています。

 時あたかも 「なでしこジャパン」 が世界一になり明るい一歩を踏み出してくれました。 さらに、 ロンドン・オリンピック出場を目指す彼女たちの健闘を祈るばかりです。 しかしながら、 ロンドン・オリンピックで金メダルを目指すことは至難の業です。 スポーツとは一回一回の勝負で、 一度成功したからといって次も大丈夫という訳にはいきません。 どことなく政治政策と似ている気がします。  

 どこが似ているのでしょうか。

 スポーツでは、 個人競技でも団体競技でも、 過去に連勝を重ね、 数多くの栄光を得たとしても、 その次に負ければ敗者です。 政治家も過去に幾度か良いことをしても一度悪いことをしたら未来はありません。 だからといって過去を無視しろというのではありません。 過去の栄光と失敗に学び、 それを糧として未来に向かうべきなり、 と考えます。 換言しますと、 スポーツに熱中するばかりではなく、 スポーツから何を学ぶかが大切なのです。

 スポーツを未来の希望を象徴する灯火と考え、 私は国難の時だからこそ与党国会議員の一員として震災復興をはじめ、 国民の為の政治をさらに取り組んでまいります。

 そして、 2015年の 「紀の国わかやま国体」 を控える中で、 スポーツ日本・スポーツ和歌山を一緒に創り上り上げていきたいと思います。

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