3日ぶりに生還か 高津子山で70歳女性転落


 15日に和歌山市和歌浦の高津子山の遊歩道から斜面に転落したとみられる女性(70)=同市西庄=が18日午前10時40分ごろ、清掃活動に訪れた「NPO法人万葉薪能の会」のメンバーらに発見され、無事救出された。女性は20日午前現在、市内の総合病院に入院中。命に別条はないという。

 同会のメンバーらによると、同日午前9時半ごろに清掃を始めた直後、やぶの中から「助けて。首が挟まれて動けない」と助けを求める声があったという。周辺を捜すと、歩道から約10㍍下の切り株に頭を挟まれ、あおむけに倒れている女性を発見した。

 119番通報で駆け付けたレスキュー隊が約3㍍のササを刈り取って救出した。女性は意識もあり、目立った外傷は特になく、「3日前に落ちた」「一人で友達の家に行く途中だった」などと話したという。転落した場所は、登山者が足を踏み入れるような場所ではなく、落ちた原因は分からないという。

 高津子山は標高151㍍と低い山で、遭難などの登山トラブルは初めて。同会メンバーの一人、同市西庄の服部薫さん(67)は「この暑い中、生き延びたのは奇跡ともいえる。今後はロープを張るなど危険を呼び掛けるものを考えていく」と話している。

 和歌山西署によると自己転落で、事件性はないとしている。同会のメンバーらは同山の桜を守ろうと定期的に清掃活動をしている。