和歌山の偉人多く紹介 来年度からの社会科教科書


 日本文教出版の小学生3・4年生向け社会科教科書「小学社会㊦」で、県の偉人が20㌻にわたって紹介されている。出版社によると和歌山のことが同教科書に取り上げられるのは30~40年ほどなかったという。津波から村人を救った物語「稲むらの火」で知られる濱口梧陵(1820~1885年)の防災活動を中心に、南方熊楠など3人の先人を紹介している。

 今月初めに行われた始業式で、来年度にこの教科書を使う3年生に配られた。来年度から使う。児童、保護者からは「こんなに和歌山のことがたくさん」と驚きの声が上がっている。

 今回の改編で追加された学習内容は、第6章「地いきのはってんにつくした人々」(94~113㌻)。濱口梧陵だけでも15㌻にわたって大きく取り上げられている。その他、南方熊楠、華岡青州、大畑才蔵が各1㌻でピックアップされ、県から海外へ移り住んだ人による現地の水産業の発展なども紹介している。

 教科書の監修に関わった元有功東小学校校長の片桐清司さん(67)によると、防災教育に重点を置いたという。児童たちに、「濱口梧陵からリーダーシップを学び、家庭でも防災の大切さを考えるきっかけにしてほしい」との思いを込めた。

 県と県教委は以前から、国に県の偉人を教科書に掲載してほしいと要望しており、念願がかなった関係者らは喜びもひとしお。片桐さんは「地域そのものが題材となり、県内の子どもたちも郷土に誇りを持てるはず」と話している。

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