再稼働へ点検着手 海南発電所の火力設備2号機


 海南市船尾の関西電力㈱海南発電所は、 停止中の火力発電設備 (2号機) が来年夏までに再稼動できるか検討するため、 点検工事に着手した。 関電が定期検査中の原発7基が再稼動できない場合、 運転中の原発4基を含む全11基が来年2月ごろまでに停止する見通しで、 深刻な電力不足に陥る可能性があるため。 発電設備の各部品を点検するため、 9月には蒸気を当てて回転させる 「タービン」 などを神奈川県横浜市の工場に搬送した。 現地で精密調査を行い、 使えるか判断する。

 2号機は電力の需給状況を踏まえ、 平成13年から停止中。 これまで主要設備の保管措置は行ってきたが、 設備の劣化などで使えるかどうかは不明という。同発電所が外観を確認したところ、 大きくは痛んでいなかった。 使えそうなら補修や手入れを行う予定。

 搬送したタービンは4種類 (超高圧、 高圧、 中圧、 低圧)。 低圧タービンは長さ約8~9㍍、 重さ約50㌧と最も大きく、 作業員が手分けして取り外し、トレーラーに乗せ、 船に運んだ。 ボイラーの配管、 機器をつなぐ配管・配線など細かい部品は同発電所内で精密調査していく。

 同発電所以外の停止中の発電所については発電所体制が構築されておらず、 設備を自然保管しているため、 再稼動するためには、タービンロータの取り替えなど抜本的な設備対策を行う必要があり、 3年程度の期間がかかる。 長期的な供給力確保の観点から電力需給の見通しを踏まえ、 点検実施の要不要を今後判断していくという。 同発電所は 「電力供給力確保に向け、安全最優先で点検作業に取り組んでいきたい」 としている。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧