大桑文化奨励賞に西中さん、梶川さん

大桑文化奨励賞

 公益財団法人大桑教育文化振興財団(大桑嗣理事長)の本年度の大桑文化奨励賞受賞者に、ガラス工芸家・西中千人(ゆきと)さん(46)=和歌山市出身・千葉県在住=と、夏目漱石や万葉集などを研究する県立向陽高校教諭・梶川哲司さん(60)=岩出市=が選ばれた。文化活動団体援助には、書道制作・書道パフォーマンスなどを行っている煌陽会(田端弓子代表)=和歌山市=と和歌山雅楽会(江川定光代表)=同=が選ばれた。

 西中さんは県立桐蔭高校、 星薬科大学を卒業後、 米国カリフォルニア大学で彫刻とガラスを学び、 「ニシナカユキトガラススタジオ」 を設立。 清澄感漂う斬新なデザインの作品を生み出し、 平成9年 「第1回現代ガラスの美展in薩摩」 で大賞、 17年度きのくに技能奨励賞、 20年度和歌山市文化奨励賞、 22年ピアマグランカイ8で審査員特別賞・アウラ野々村賞などを受賞している。
 梶川さんは県立桐蔭高校、 大阪市立大学卒。 漱石と和歌山の関わりを研究発表するとともに、 万葉集を中心に和歌山と関わりのある歌人を紹介。 さらに研究成果を教育現場に生かして教育効果を挙げ、 21年度きのくに教育賞、 22年度文部科学大臣優秀教員表彰を受けている。

 西中さんは、 「日本人がなぜガラスなのかと海外の人に言われてきましたが、 ことし4月、 ニューヨークの展覧会で日本独自の美意識を加えた作品が反響を呼びました。 そんな時に故郷から頂くこの賞は、 日本の文化を踏まえてどんどん世界へ発信せよと押されたようでうれしいです」。

 梶川さんは、 「和歌山と漱石という誰も考えてこなかったテーマを長年考え、 和歌山と文学をテーマに学校の図書館教育をやってきました。 地味な活動を評価していただきうれしいです」 と話している。

 表彰式と各種援助目録贈呈式は11月15日午前10時から、 同市のホテルアバローム紀の国で行われる。

 同財団は平成5年の設立以来、 大学奨学金や外国人留学生援助、 高校スポーツ選手奨学金などを毎年寄贈しており、 ことしは東日本大震災で県内に避難した小・中・高校生34人に、 見舞いの奨学金も贈っている。

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