挑戦の原動力語る 手こぎ自転車で日本一周の神原さん

手こぎ自転車
生涯で挑戦してきたことを振り返る神原さん

 生まれつき下半身に障害がありながら、 手こぎ自転車で日本一周を成し遂げた、 神原史直さん (43) =兵庫県尼崎市=が10日、 プラザホープ (和歌山市北出島) で 「延長の命燃え尽きるまで生涯挑戦!」 と題し講演。 県、県人権啓発センター主催で約40人が耳を傾けた。 神原さんが和歌山で講演するのは初めて。

 神原さんは、 自身の障害 「二分脊髄症」 について、 排せつ行為を自分の意思でできず、 下半身の感覚がまひしていることなど、 生活を送る上での不便さを説明。 大便をもらしてしまうこともあり、子どもの頃に、 周りの児童や生徒からいじめを受けたつらい経験などを振り返った。

 20歳を迎えた時に両親から、 「ほんまは、 20歳までしか生きられへんってお医者さんに言われてたんよ」 と告げられたことに触れ、 「 『両親の愛情があったからこの20年間をやってこれたんや』 と思ったら、 これからは24時間を大切に生きないとと、 意識が変わりました」 と温かいまなざしで語り掛けた。

 それ以降、 合気道やダイビング、 スキーなど果敢に挑戦するようになったとし、 「例えばアーチェリーをするなら、この体でできる椅子を作るなど、 何をするにも工夫のしがいがあった。 いい体をもらえたと感謝してる」 と笑顔を見せた。 そして、 手こぎ自転車で、 約3年間かけて日本一周したことを振り返り、 「しんどくて、 もう駄目だと思っていたら、 自転車で来た人がわざわざ降りて付き添ってくれたこともあった」 と各地で人の優しさに触れた思い出を振り返った。

 参加者からは、 「挑戦する気持ちはどこから湧いてくるのですか」 という質問があり、 神原さんは 「20歳までは両親がつないでくれた命だから、 一日一日が巡ってくることが原動力になってます」 と力強く答えていた。

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