4月から使用可能に 岡公園の2茶室


芦鶴庵(上)と夜雨荘

 和歌山市が、平成21年から改修工事を進めていた岡山丁の岡公園内にある茶室「芦鶴庵」(ろかくあん)と「夜雨荘」(やうそう)の一体改修が3月末で終了し、4月から使用できるようになる。現在、庭園の整備を行っており、岡陽軒(こうようけん)を合わせた3茶室の一体利用で、市内の文化活動に貢献する。

 総事業費は約4500万円。4割を国の「社会資本整備総合交付金」で賄った。3茶室は、公園の東端にある市立児童女性会館の南隣に位置。今回は、老朽化していた芦鶴庵と夜雨荘を改修した。

 芦鶴庵は昭和38年、市内出身で松下電器産業の創業者、故松下幸之助氏が寄贈。一方、夜雨荘は紀州徳川家の家老・三浦長門守の下屋敷跡(小松原通5丁目)に保存され、昭和62年に現在の場所に移築。江戸時代後期の武家茶室の特徴を持っている。

 しかし、両方とも老朽化が進み、夜雨荘に至っては照明がない状態で、ここ10年以上は使われず、岡陽軒(昭和42年完成)がメーンとして使われてきた。

 すでに建物の改修が終了するなど、工事は最終段階に入っている。現在、夜雨荘と芦鶴庵・岡陽軒を隔てていた空き地を庭園として整備。3施設を一体利用できるようにしている。和歌山城管理事務所によると、4月以降にお披露目会を開きたいという。

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