和歌山市からは2人 文科相優秀教員


 学校教育で特に優れた成果を挙げた教員をたたえる本年度の「文部科学大臣優秀教員表彰」で、和歌山市からは県立桐蔭中学校(同市吹上)養護教諭の東尾真紀子さん(54)と、県立和歌山商業高校(同市砂山南)教諭の松本透さん(56)の2人が選ばれた。養護教諭が同表彰を受けるのは県内初。2人は「これまでの活動や指導が認められてうれしい」と喜んでいる。 

 東尾さんは児童生徒の歯の健康に関して取り組む中で、 PTAや地域と連携した活動などで成果を挙げた。

 歯の取り組みを始めたのは昭和62年度、 当時勤めていた広川町立広小学校が 「日本学校保健会」 の指定を受け、 地域と一体となってむし歯予防活動を推進したことがきっかけ。 東尾さんが教材を作ってブラッシングの指導などを行った結果、 むし歯になる児童が減り、 住民の意識が変わったという。 以来、 東尾さんは歯に関する研究を続けている。

 本年度も桐蔭中学校で昼食後のブラッシングを定着させたり、 歯ブラシボックスを設置したりと精力的に活動。 東尾さんは 「生活の質を高め、 生活習慣病にかかる生徒を一人でも少なくしたい」 と目標を立て、 「これからも目の前の子どもたちの健康を思いながら、 健康教育を推進していきたい」 と話している。

 松本さんは県立和歌山商業高校の平成6年度の学科改編で会計科ができたことを受け、 全国に先駆けた商業教育の取り組みを始めた。 「より進んだ簿記学習をしたい」 と6カ月間、 専門学校に通い、 日商簿記検定1級の講習を受講。 当時、 上級簿記の指導者は県内で不足しており、 よく研修会に足を運んだという。

 同科は当時6クラス (240人)。 人数が多かったため、 生徒のレベルに応じた習熟度別学習を取り入れていた。 自身も勉強に励みながら、 生徒に上級簿記の資格を取得させるなどして就職や進学につなげていった。

 また、 相撲部顧問としても成果を挙げている。 箕島高校在勤中にはインターハイで優勝させ、 全国大会に導いた。 母校でもある和歌山商業高校では休部になっていた相撲部を再開させ、 10年度から10年連続個人入賞、 12年度から8年連続団体入賞と結果を残している。 松本さんは 「先輩、 同僚、 生徒の協力があったおかげです」 と話している。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧