大川峠の自然守ろう 専門家らNPO法人設立
子どもたちの教育のサポートのため、自然観察会も開いていく(18日の観察会の様子)
和歌山市加太と大阪府の境にある美しい大川峠(同市大川)一帯の自然を守ろうと、地質や植物などの専門家らが集まり、「NPO法人南海せとうちジオガーデン」(岡本素治理事長)を発足させた。大川峠の情報発信▽訪れる団体・個人の受け入れ▽学術的な調査・研究などの他、行政と連携して不法投棄防止対策を行っていく。
大川峠は、中生代白亜紀後期にたい積した岩からできた「和泉層群」と呼ばれる地層が海岸部を中心に露出している。さまざまな植物や生物が見られ、景観だけでなく学術的にも価値があるとされている。しかし、ごみの不法投棄が増加し、有害物質が発生するような場所も見つかっている。
同団体のメンバーは、地質、植物、昆虫、海洋生物、天体など、自然科学に関する県内外の専門家や教育関係者ら15人。多くの研究者らが訪れる大川峠の自然を守り、次世代に引き継いでいこうと声を上げた。現在、大川峠に開設した事務所1階では、魚類のイラストパネルや化石などを展示する博物館づくりにも取り組んでいる。
同団体理事の戎下(えびすした)有規子さん(55)は「自然環境を守り、以前の美しい景観に戻す。生き物と共生していくことが大切です。みんなが自然に触れ、楽しめる場所にしていきたいです」と話している。
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