自主防災組織の結成率100%目指す 海南


自主防災組織ではさまざまな防災訓練が行われている (昭成町自治会)

 海南市は来年度、 災害時に地域住民が連携して避難誘導や初期救出活動を行う 「自主防災組織」 の結成率100%を目指し、 組織設立の支援などを行う。 昨年1月15日現在、 245の自治会に152の自主防災組織があり、 結成率は62%。 市は来年度一般会計当初予算案に事業費267万円を計上し、 来年度中の達成を目指す。

 同市船尾などの地域を含む昭成町自治会では、 有志らが平成19年4月に自主防災組織を立ち上げ、 年数回の自主訓練などを熱心に行っている。

 同地区は海抜が1㍍未満の場所もあり、 住民の防災に対する危機意識も高い。 同自治会の谷井(やつい)正明さん (71) は組織の立ち上げに中心的に関わり、 約2年前から自治会長も務めている。 これまで簡易トイレの作り方、 アルファ米の炊き出し、 毛布や竹を使ったけが人の搬送など、 さまざまな防災訓練を行ってきた。

 また、 訓練の参加率を高めるため、 乾パンのつかみ取りなど、 住民が参加したくなるような体験を盛り込む工夫もしてきた。 こうした防災訓練の成果か、 同地区の東日本大震災当日の避難率は37・7%と全国的に見ても高い数字となった。

 谷井さんは 「訓練はずっとやっていかないといけない。 今後は要介護者の避難をどうサポートするかが課題。 訓練参加率は100%を目指して頑張りたい」 と話している。

 市の市民交流課危機管理室では 「未結成の地域については、 組織づくりの相談も受け付けています」 と話している。
 問い合わせは同室 (℡073・483・8406) へ。

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