ホスピタルアート作成中 日赤和歌山医療センター

日赤和歌山医療センター
動物の森をイメージしたアート

 日赤和歌山医療センター (和歌山市吹上) 本館8階の小児病棟が、 ビニール製のシートを壁に貼って描いたイラストで、 動物の森のような空間に変わりつつある。 芸術で患者を癒やそうという 「ホスピタルアート」 と呼ばれるもの。 同センターが和歌山大学教育学部美術専攻の学生の手を借りて取り組んでいる。 同センターの小児科部長、 吉田晃さん (55) は 「入院生活を感じさせず、 優しさを感じる環境を目指している。 スタッフの表情もにこやかになった」 と話している。

 小児病棟には現在、 約40人の子どもが入院している。 昨年10月ごろ、 同センター関係者の話し合いで、 殺風景な小児病棟にホスピタルアートを施す案が持ち上がった。

 他府県の病院を視察しながら構想を練り、 地域との連携を図るため、 同大の学生にイラストの協力を求めることに決めた。

 イラストのイメージは 「動物の森」。 エレベータから降りるとすぐに、 「ようこそ8Bのもりへ」 と書かれたイラストが出迎える。 ナースステーションのカウンターの部分には、 動物が影絵のように描かれ、 鳥やカバの足跡が床につながっている。

 足跡をたどって壁づたいに歩くと、 壁に施された動物たちがだんだんと姿を表す。 ゴールは、 子どもたちが治療を受ける 「処置室」。 処置室のドアには、 サルやゾウなどがひょっこり顔を出し、 子どもたちを招き入れるイラストを施す予定。 吉田さんは 「処置室は、 子どもにとっては痛くて嫌な場所。 少しでも気持ちが楽になれば」 と話す。

 3月上旬から中旬にかけて学生らが描き始め、 一部完成している。 制作期間中に、 子ども向けの 「アート教室」 も開催した。 学生は夏ごろから活動を復活させるという。

 退院を間近に控えた市立西脇小学校4年生の野嶋千広君 (10) は 「動物探すん面白い!」 とにっこり。

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