広域処理受け入れないで 和歌山県・市に要望書


要望書の内容を説明する皆さん(和歌山市役所)

 市民団体「子どもたちの未来と被ばくを考える会」(芝野絢子世話人代表)は26日、東日本大震災のがれきの広域処理について受け入れないよう求める要望書を大橋建一和歌山市長と仁坂吉伸知事に提出した。
 同会は、市議会ががれきの受け入れを全会一致で決議したことを受けて結成。がれきには放射能汚染の危険性があるとし、広域処理に反対している。

 要望書では「市が果たすべき役割とは、被災者を温かく受け入れ、原発のない安全安心な環境と汚染されていない食料を提供すること」と主張し、危険性が指摘されているがれき受け入れを断るよう求めている。

 また「放射性物質汚染対処特措法施行規則の一部を改正する省令」の施行により、1㌔当たりの放射能濃度が8000ベクレル未満の産業廃棄物を既存の焼却施設で処理することができるとされたことに触れ、受け入れられないとの立場から、市・県の行政運営を注視する考えを示している。

 同会のメンバー約10人が市役所と県庁を相次いで訪れ、要望書を提出。市役所では尾玉忠成環境事業部長らが応対し、「確かに市長にお届けします」と述べた。同会は、がれきを受け入れた場合に焼却処理が行われる青岸清掃センター(同市湊)の施設見学を申し入れた。

 がれきの広域処理について大橋市長と仁坂知事は、いずれも受け入れに慎重な姿勢を示している。

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