肺がん死亡率ワースト返上へ 禁煙デーフォーラム


たばこ対策について発言するパネリストら

 31日の 「世界禁煙デー」 を前に、 「世界禁煙デーフォーラム2012in和歌山」 が27日、 和歌山市西浜の県立和歌山工業高校で開かれた。 県内は、 喫煙との関連性が特に高い肺がんの死亡率が平成17年から6年連続で全国1位という現状から、 今回のテーマは 「がん―避けて通れないたばこ対策―肺がん、 全国ワースト1を返上するために」 とされた。

 たばこ問題を考える会・和歌山主催。 喫煙が健康に与える影響やたばこ対策の現状などについて、 専門家の講演とシンポジウムがあり、 約50人が聞き入った。

 講演した大島明・日本禁煙推進医師歯科医師連盟会長は、 日本の喫煙による推定死亡者数が年間約13万人で死亡原因のトップであることや、 受動喫煙による肺がんと心筋梗塞に限っても年間約6800人が死亡しているなどの現状を紹介し、 たばこ対策の必要性を強調した。

 また、 日本も批准している 「たばこ規制枠組み条約」 について、 日本の取り組みは不十分と指摘。 禁煙者を増やすには、 医療関係者による禁煙の働き掛け、 たばこ税・価格の引き上げや禁煙区域の拡大などの環境整備を進め、 禁煙に取り組む人とその成功率を上げていくことが重要と話した。

 シンポジウムは、 原隆亮県薬剤師会常務理事をコーディネーターに、 山下直也県議、 雑賀博子県健康局長、 家永信彦日高医師会喫煙防止対策委員会副委員長、 栗田喜代子日赤和歌山医療センター外来係長がパネリストとして出席。 県内のたばこ対策の現状や、 県議会で検討中の 「がん対策推進に係る条例案」 などについて意見を交わした。

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