新道路特定財源の創設を 災害対策に整備必要

大江 康弘

 今年のゴールデンウイークは各地とも混雑がひどかったという。 昨年は東日本大震災の影響もあったので、 休みどころではなかったが、 今年は高速道路も至る所で渋滞情報がいわれていたが、 先日第2東名の御殿場・三カ日間(162㌔)が新たに開通、 そのおかげで、 このゴールデンウイーク中もかなり渋滞が緩和されたということだった。

 やはり道路は、 確実にその役割を果たしている。

 民主党は道路はいらない、 無駄だ、 作るなと声高に叫び、 3年前の総選挙ではマニフェストの中でも道路予算の削減を最重要政策に入れていたが、 大震災、 また台風12号の被害も半分は道路予算が減らされ、 維持も整備もできず、 道路が弱くなって壊れたため、 2次災害を引き起こした原因ともなった。

 一体、 どう責任をとるのか。

 戦後、 欧米に遅れること30年、 我が国は自動車社会を目指し、 全国に120万㌔の道路整備をやってきたが、 十分ではなく、 しかし順調に道路網が作られ、 基幹インフラとしてその役割を果たしてきたのも、 道路特定財源 [50年以上も前に約200億円の揮発油税収だけで始まったこの制度は自動車ユーザーの理解のもと最終的に4種類の国税(揮発油税・地方道路税・石油ガス税・自動車重量税)と2種類の地方税(自動車取得税・経由取引税)からなり、 その総額は平成20年度の当初予算でも約5・6兆円の規模にまでなっていた] と高速道路は有料制にしてきたこの2本柱が大きな役割を果たしてきたと言えるが、 その一翼であった、 道路特定財源も、 民主党の大きな反対の声で、 自公政権時代に廃止され(平成21年4月1日より)道路を作るための財源措置の根拠を失ってしまった。

 歴史を教訓とするならば、 災害時の緊急避難や、 復旧、 復興を早期に進めるためには何よりも道路網の整備が必要且つ重要であることを学んだはずだ。

 しっかり学習し、 将来に禍根を残さないためにも、 もう一度、 道路整備のための目的税の創設を早急に考え、 というよりも票欲しさに廃止した道路特定財源を一部見直し(自動車取得税と消費税の二重取り等)ながらも、 もう一度復活させるべきである。

 そうしないと、 作り上げてきた道路のメンテナンスさえも十分できず、 例えば橋梁に至っては、 耐用年数が50年なので高度経済成長期の1960年代~1970年代に整備され、 かなり老朽化が進んでおりインフラ更新費用だけでも今後50年間で190兆円と国交省は試算している。

 今年度(平成24年度)の国の公共事業費はわずか4兆5734億円で一体どうやって予算を捻出していくのか、 この実態をみても、 かつて米国では60年代以降、 橋が落ちる事故が相次ぎ多くの人命が犠牲となったが、 80年代になって米国の経済学者パット・チョートが 「荒廃するアメリカ」 という本でインフラの老朽化を指摘、 日本でもようやく認識されるようになったが、 維持どころか、 新規の道路建設までとても満足に建設することなど無理である。

 東海、 東南海、 南海という大きな3つの地震が三連動でくることも予想されている今、 もう一度、 国民に現状を説明し、 理解を求め一日も早く安定した道路予算の財源確保こそ、 政治の責任と言える。

 このような実情をみても、 民主党は 「道路は無駄」 「道路は必要なし」 「高速道路は無料」 と国民に向かって言うことができるのか。
 私は新たな道路特定財源の創設を改めて提案する。

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