和歌山県水墨画協会が15年目の作品展


即興で描く小川会長

 県水墨画協会 (小川華瓣会長) は、 ことしで15周年を迎えた毎年恒例の作品展を和歌山市の市民会館で開いている。 3日まで。 市の友好都市・中国山東省の山東画院との日中交流作品展と、 同協会の有志が指導している市内の障害者施設の生徒らの作品展を併催。 初日の5月30日には15周年を記念し、 小川会長が来場者からリクエストを受けて即興で描く 「席画」 を披露した。 2日午後2時からも席画を行う。

 同協会は平成9年に発足。 現在、 30~90代の約110人が所属している。

 ことしは会員が約100点、 山東画院の会員が10点出品。 力強かったり、 優しいタッチの、 草花や国内外の景色を描いた作品が展示されている。 障害者施設 「綜成苑」 「綜愛苑」 「小倉園」 の通所者が色鉛筆やクレヨンで描いた作品約40点も並んでいる。

 30日、 小川会長 (65) の席画を一目見ようと、 約100人が詰め掛けた。 水墨画歴45年の小川会長は、 これまでに披露した中で最も大きい360×160㌢の画仙紙に挑んだ。 来場者からは 「フジ」 「ヒマワリ」「龍」 などのリクエストが上がり、 同協会事務局長の元市議会議員、 寺井冨士さん (同) が司会を務め、 軽妙なトークで盛り上げた。

 小川会長はおもむろに描き出し、 一本の筆と、 筆が11本連なってハケのようになった 「連筆」 を使って、 墨の濃淡を重ねた。 全体のバランスを見ながら、 筆の穂先を繊細に走らせたり、 大胆にたたき付ける小川会長の姿に、 来場者もじっくりと見入っていた。 朝日を表現しようと、 連筆を使って美しい半円を描いた瞬間、 来場者からは感嘆の声が上がった。

 中国の伝説の神山・蓬莱山と、 宝船が朝日に向かって進む様子に、 ヒマワリなどをリクエスト通りに添え、 約1時間で水墨画を完成させた小川会長は 「何ができるのか分からない状態から、 スピード感を持って出来上がるのが水墨画の良さ。 楽しんでもらえたのでは」。

 初めて席画を見たという同市新在家の酒井千晴さん (33) は 「ばらばらに描いていたものがつながっていくのが素晴らしい。 イメージしていたものをはるかに上回っていました。 風景画を描くのが好きなので、 良い刺激になりました」 と話していた。

 作品展は午前10時~午後5時(最終日は3時)。無料。問い合わせは同協会事務局 (℡073・462・7750) へ。

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