智弁和歌山、九州王者倒せず


1点差に詰め寄る2塁打を放ち、こぶしを突き上げる天野

 第94回全国高校野球選手権大会は6日目の13日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦4試合があり、第1試合で県代表の智弁和歌山は神村学園(鹿児島)と対戦し、2―3で敗れた。

◇2回戦

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9
神村学園
智  弁

 〔神〕柿澤、平藪―中野〔智〕吉川、蔭地野―川崎▽2塁打=永尾、二河、古賀(神)天野(智)

 智弁は3点を追う4回、死球と失策で無死1、3塁と好機をつくると、天野が左越えに2塁打を放ち2点を返した。その後は神村学園の投手陣を攻略できず、得点圏に走者を進めることができなかった。投げては吉川、蔭地野の継投で9回を被安打8の3失点だった。

 髙嶋仁監督は「ちょっとしたミスが負けを招いた。厳しさを味わった」と話していた。

4番外され、意地の一発 天野外野手
 4回、無死1、3塁で天野に打順が回った。バッターボックスに入る天野に遊撃手の嶌が近寄り、「思い切りいけ。今まで苦しい練習やってきたんやから信じてやってこい」と背中を押した。

 打席に立った天野は声を出して気合を入れた。柿澤の投じた4球目、外角の直球を振り抜くと、打球は左翼手方向へ伸びた。「抜けた」。そう確信した天野は夢中でベースを回る。2点目の生還を見守るとベンチに向かってこぶしを突き上げた。

 和歌山大会では4番に座っていた天野だったが、この試合では7番に打順を下げられた。試合が始まる前、スコアボードに映し出された打順で4番を外されたのを知った天野は奮起した。それと同時に4番の重圧から解放され、「思い切りやろう」という意識が芽生えていた。

 4打数2安打2打点。個人としては申し分ないが、チームとしては勝てなかった。「試合に出た2年生を中心に次の春、4番打者として帰ってきます」。新チームをけん引する覚悟を口にした天野は甲子園球場を後にし、あすからの練習に備える。

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