和歌山市のLNG発電 建設再開か

 和歌山市湊で凍結状態となっている関西電力の液化天然ガス(LNG)火力発電所計画について、 建設再開の話が浮上している。 関電と県が協議を開始したとの一部報道が11日にあったが、 関電広報は 「再開に向けた協議の事実はない」 と否定している。

 建設予定地は、 住友金属工業和歌山製鉄所の沖合埋め立て地で、 敷地面積約95万平方㍍。 計画は、 政府の電源開発調整審議会で平成9年に承認され、 12年に関電は、 発電所建設と環境保全に関する協定を県と結んだ。 16年に地盤改良工事の一部を終えた段階で、 電力の需要低迷を理由に、 計画は凍結されてきた。

 この発電所の最大出力は370万㌔㍗を予定。 高浜原発1、 2号機は82万㌔㍗、 大飯原発1、 2号機は117万㌔㍗であり、 原発約4機分の出力がある。

 東日本大震災後の電力不足への不安、 原発の再稼働が困難な情勢から、 県議会と和歌山市議会はことし2月定例会で建設計画促進に関する決議を可決し、 4月には関電に早期の建設を申し入れた。 仁坂吉伸知事も 「これからの電力の安定供給には欠かせない施設になる」 と述べ、 計画実現を関電に積極的に働き掛ける考えを示している。

 関電広報は 「現時点で計画は凍結されたまま」 とし、 県も 「関電と情報交換は行っているが、 建設再開を前提とした話はない」 と話しているが、 今後の展開が注目される。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧