和歌山県内5会場で高校生防災スクール


高齢者宅を訪ね、 聞き取りをする高校生ら

 地域防災のリーダー育成を目的とする県教育委員会主催の 「県高校生防災スクール」 が21日、 和歌山市西浜の県立和歌山工業高校など県内5会場で開かれた。 中高生ら約1000人が参加し、 講話や救命講習に加え、 被災した高齢者宅を中高生が声掛けに訪問するなど、 新たな取り組みが行われた。

 県教委健康体育課によると、 平成16年度から毎年実施し、 本年度で8回目。

 今回の特徴的な取り組みの一つは、 中高生が災害支援ボランティアとして一人暮らしや夫婦だけで住む高齢者宅を訪問し、 励ましの声掛けや状況把握をする訓練。 地震や洪水などの大規模災害発生後1週間、 家屋の倒壊は免れたが自宅で不自由な生活を余儀なくされ、 高齢者がストレスや不安を抱え込んでしまう状況が想定された。

 和歌山工高会場では、 市内の中学・高校18校の生徒が4人程度のグループに分かれ、 西浜地区の約50軒を訪問。 会場内の災害ボランティアセンターで説明を受け、 地図を頼りに家を探した。 訪問先では、 体調や大地震が起こったときに不安に思っていること、 避難場所、 家具の転倒防止対策の有無などを質問した。

 訪問を受けた一人暮らしの女性(79)は 「若い人が来てくれてうれしいし、 もしもの時には心丈夫に思う。 地域にとってもありがたい」。和歌山工高2年の川﨑裕太郎君(17)は「(訪問は)初めての経験だが話しやすかった。普段から意識を持って、 地域の人とかかわっていきたいと感じた」と話していた。

 防災スクールではこの他、 東日本大震災などで避難所運営を経験した人による講話があり、 和歌山工高では元高校教師で社会福祉士の池本護さん、 粉河高会場では今西武和歌山大学客員教授、 紀中・紀南の3会場では岩手県山田町の職員が厳しい災害現場の体験を生徒に伝えた。

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