滅びない街を考える 和歌山市「まちのちから塾」


講義に熱心に耳を傾けた

 中心市街地の活性化を考える和歌山市主催の 「2030わかやま・まちのちから塾」 の第4回セミナー&セッションが23日、 市役所で開かれた。 約100人の市民らが、 米国の市街地再生の事例などを学び、 谷口博昭元国土交通省事務次官らの講演を聞いた。

 今回のテーマは 「まちのハード、 まちのハート いいまちとは何か?」。 前半は、 初回から講師を務める㈱タフ・コーポレーションの藤後幸生社長ら4人が講義を担当した。

 藤後社長らは 「滅びない街」 の条件として、 「職」 「学」 「医」 「住」 「遊」 の5つの要素が有機的に複合している、 との視点を提示。 米国サンタモニカの中心街サードストリートの衰退と再生の事例を紹介した。

 同所では、 昼も夜も楽しめるエンターテイメント・ストリートとするため、 映画館の誘致と立地区域の条例による制限、 ファミリーレストランやファストフードの出店禁止による個性的な店の誘致などを進めた。

 また、 駐車場がない不便さの解消のため、 交通アクセスの改善と市街地への住宅誘致を行った。

 こうした取り組みが全て、 入念な構想に基づいて行われたことから、 まちづくりの順番として、 まずビジョン作りが重要であると話した。

 最後に講演した谷口さんは、 個人の生活環境改善のためには都市の環境改善が必要であり、 それは和歌山にとって、 ひいては日本にとって大きな意味を持つと強調。 国と地方、 官と民などが補完し合うパートナーシップの精神で、 自分の地域が良くなるだけでなく、 周辺地域を巻き込んでいく取り組みを呼び掛けた。

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