政局優先の民主・自民 政策課題前進へ筋通す

西 博義

 本紙でも報道されましたが、 今期で政界を引退することになりました。 私事で誠に恐縮ですが、 この紙面をおかりして、 長年にわたってご支援やご厚情を賜りましたことにつきまして、 皆さまに心より御礼申し上げます。 残りの任期についても、 引き続き、 しっかりと務めてまいりたいと思います。

 さて、 前回に続いて、 社会保障と税の一体改革関連法案のその後について報告します。

 前回は、 一体改革関連法案が6月26日に衆議院を通過し、 法案の修正案提出者として、 参議院の委員会審議に臨もうとしていることを書きました。

 その後、 順調に参議院での審議が進んでいた8月7日のことです。 自・公を除く野党が採決を阻止するために、 衆・参両院にそれぞれ野田内閣の不信任案、 問責決議案を提出してきました。

 すでに、 参議院での審議も84時間を超え、 あと3時間で採決か、 というところまで来ていました。

 野田内閣を信任できませんが、今、内閣不信任案が通れば、3党で合意した一体改革関連法案の成立は危ぶまれます。一体改革関連法案の成立を目前にして、 政策を優先するのか、 政局を優先するのか、 私どもは対応に迫られました。

 あろうことか、 自民党執行部は、 独自に不信任案を提出する動きを見せるなど政局優先の姿勢を示しました。 委員会審議だけでも3カ月にわたり、 連日、 法案成立に向けて全力を傾注してきた私には、 自民党執行部に対して不信感が募りました。

 事態を打開するために、 野田総理と谷垣総裁との党首会談が開かれました。 翌々日、 社会保障と税の一体改革関連法案と3党合意に反対することを主な内容とする内閣不信任決議案は、 自民・公明が退席し、 与党の反対で否決されました。

 8月10日、 参議院の特別委員会で最後の質疑、 採決が行われ、 続いて参議院本会議でも可決、 ついに一体改革関連法案は成立しました。

  「決められない政治」 といわれる中で、 審議を尽くす中で、 重要課題への結論が出されました。
お盆が明けて、 8月後半の国会は、 会期末や、 解散、 民主党代表選・自民党総裁選など政局がらみの常軌を逸した国会となっています。

 与党・民主党は、 成立のための努力をすることなく 「公債特例法案」 や 「公職選挙法改正法案」 を強引に可決しました。 財源の調達ができないため、 予算執行の抑制という異常事態を招こうとしています。 また、 選挙制度は、 議会民主主義の土台であり、 全野党欠席のまま与党だけで採決を強行することは憲政史上、 類を見ない暴挙です。

 一方、 自民党は、 8月30日、 参議院に提出されていた自・公以外の野党提出による問責決議案の採決に賛成しました。 これは、 一体改革と3党合意に反対する内容です。 早期解散を求める自民党の意思を示すためとはいえ、 一体改革関連法案の審議の現場の当事者の一人としては理解に苦しむものです。

 公明党は、 現在の難しい政治状況の中で、 政策課題に真正面から取り組み、 合意形成に努力し、 政策課題を前進させるため、 一貫して筋を通してまいりました。 これからも、 国民の視点をしっかりと踏まえて、 努力してまいります。

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