遺品を和歌山初公開中 エルトゥールル号


引き揚げられた菊の紋章入り磁器㊧や香水瓶を見つめる来場者

 特別展「よみがえる軍艦 エルトゥールル号の記憶」が、和歌山市吹上の県立博物館で始まった。明治23年(1890)に串本町大島沖で遭難し、近年水中発掘調査が行われたトルコの軍艦エルトゥールル号(エ号)の数々の遺品が、122年の時を経て県内初公開されている。主催は同館とボドルム・カリヤ文化芸術振興財団。10月11日まで。

 展示資料は、平成20年からの調査で引き揚げられたクラリネットの部品や小さな香水瓶、菊の紋章入り磁器、巨大な銅製の調理鍋など。遺品の脱塩処理や保存処理、復元などの活動も写真パネルや映像で紹介されている。

 7日は、セルダル・クルチ駐日トルコ共和国特命全権大使らを来賓に迎えてのオープニング内覧会が開かれ、約200人が参加した。

 仁坂吉伸知事は日本とトルコの長い助け合いの歴史を紹介し、「良い関係を繰り返してきた原点はエルトゥールル号」とあいさつ。トゥファン・トゥランル同財団代表(エ号海底遺品発掘調査団団長)は「航海はまだ続いている。この特別展で両国の絆がさらに強固になりますように」と話した。

 この日は、昨年社会科の授業でエ号と両国の絆を学んだ市立藤戸台小学校の5年生68人も招かれ、崎山萌音さん(11)は「ドキドキしました。くぎみたいなのがでっかくて驚きました」と熱心にメモを取っていた。

 同館の竹中康彦学芸課長は「知ってるようで知らないことが多い。現物を通して学んでいただけたら」と話している。

 月曜休館(ただし9月17日と10月8日は開館、翌日休館)。ミュージアム・トーク(展示解説)は30日と10月6日の午後1時半から。問い合わせは同館(℡073・436・8670)。

【紀陽文化財団が招待】

 同特別展の無料招待券が、紀陽文化財団からペア200組(400人)にプレゼントされる。はがきに、①郵便番号②住所③名前④電話番号⑤わかやま新報⑥「エルトゥールル号の記憶展」希望と記入し、〒640―8033、和歌山市本町1丁目35、紀陽文化財団「博物館係」へ。13日必着。

 毎月第4土曜日の「紀陽文化財団の日」には、大学生は無料で入館できる。

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