レンジャーズ熱血応援 鉢巻きの男性話題


スタンドから声援を送る紀州のてっちゃん

  「いいぞ、 いいぞ、 レンジャーズ!」。 鉢巻きに法被姿、 首からは笛をぶら下げ、 紀三井寺球場のスタンドからひときわ大きな声援を送るのは、 大阪市西成区に住む会社員男性、 通称紀州のてっちゃん(31)。 関西独立リーグの紀州レンジャーズを支えるのは、 地元のファンだけではない。 男性は 「関西には、 阪神タイガース以外にもこんな面白いチームがあることを、 もっとたくさんの人に知ってほしい」 と熱を込める。

 男性は関西独立リーグのファンで、 近畿各地で行われる試合にできるだけ足を運んでいる。 紀三井寺球場に通うようになったのは、 3年ほど前から。 観客席は人影がまばらな上、 応援がおとなし過ぎると感じたため、 自ら盛り上げ役を買って出た。

 レンジャーズの試合がある日には、 勤め先の神戸から、 仕事を終えて駆け付ける。 もともとプロ野球の応援団への憧れも強かったが 「プロ野球は黙っててもお客が来るけど、 ここは黙ってると来ないから」 と冗談交じりに笑う。

 レンジャーズの1番の魅力は 「家庭的なところ」 といい、 「それはチームもファンも」 と語っている。

 ゲームの見せ場や大事な場面になれば、 トランペットで協賛企業 「オークワ」 のテーマソングをはじめ、 歌謡曲やアニメソングを次々と演奏。 手拍子やコールでスタンドを温め、 時には辛口な声掛けなど、 独自の応援スタイルでマウンドの選手たちを鼓舞する。

 球場には車や電車で通い、 帰宅が午前1時を過ぎることも多いが 「県外の人間だからこそ応援したくなるのかも。 レンジャーズがなかったら、 和歌山に来ることもなかったし」 と話している。

 その存在感と独自の応援スタイルが話題となり、 今ではファンの間では言わずと知れた存在で、 地元婦人会でつくるファン集団も 「リードしてくれるので、 私たちも応援しやすいですよ」 と歓迎。

  「私みたいなバカが一人くらいいてもいいのでは。 わずかながら、 それが地域の振興につながればうれしい」

 後期優勝に向け加速する紀州レンジャーズが栄光をつかむ日まで、 てっちゃんは全力投球で声をからす。

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