振り込め詐欺防げ JAわかやまが訓練


送り付けられたパンフレットを手に振り込みを要求する被害者役㊨

 多発する振り込め詐欺を水際で防ごうと、 JAわかやまは11日から防犯訓練を開始した。 初日は和歌山市栗栖のひがし支店(谷村良夫支店長)で行い、 職員ら約25人が参加。 県警職員が被害者役となり、 興奮して急いで振り込もうとする被害者役を落ち着かせて詐欺だと気付かせる手順を確認した。 10月4日まで市内4支店で実施していく。

 訓練は、 自宅に社債に関するパンフレットが送られてきた男性が、 支店窓口に振り込みに来たという想定で行った。
 被害者役は女性職員に 「300万円を今すぐ振り込みたいんや」 と要求。 女性職員から不審な点があると報告を受けた谷村支店長(52)が引き止めの説得を試みた。

 途中、 被害者役が 「業者が社債を倍で引き取ってくれると言ってる。 損したら弁償してくれるか」 などと強く言い寄る場面もあったが、 谷村支店長が被害者役にパンフレットに記載された番号に電話させるなどして詐欺だと気付かせた。

 訓練を終え、 谷村支店長は 「顧客が振り込めと強く要求するのは、 思い込みからくることなので、 落ち着かせることが大切ですね」 と話していた。

 県警によると、 振り込め詐欺を金融機関窓口の対応で未然に防いだ例は昨年10件、 ことしはすでに9件あった。 県内のことしの振り込め詐欺被害額は8月末までで、 オレオレ詐欺などが約4829万円(27件)。 金融商品等取引など類似詐欺が過去最高の約3億2306万円(32件)となっている。

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