東燃和歌山工場の存続へ前進 エネルギーの地方分散を

玉置 公良

 みなさん、 こんにちは。 たまき公良です。

 有田市にある東燃ゼネラル和歌山工場の存続問題が一歩前進しました。 9月8日に閉会した通常国会で 「石油備蓄法の改正」 法案が可決したからです。 東燃ゼネラルの存続問題については、 2010年10月26日付の 「がんばってます」 でご紹介させていただきましたが、 平成21年、 前政権時代に 「エネルギー供給構造高度化法」 が制定されたことにより生じました。 更に官僚が政権交代のどさくさにまぎれて、 2010年大臣告示で石油精製業者の使用する特定の機器にまでしばりをつくり、 そのために膨大な費用が必要となり、 結果的に撤退を進めるようになっていたのです。 以降、 丸2年にわたり存続について取り組みが続いてきました。

 和歌山県有田市はミカンの里でありますが、 そこには東燃ゼネラル和歌山工場があり、 70余年の長きにわたり、 地域との助け合いのもとに共存してまいりました。 全国的に見れば小さな石油精製工場かもしれません。 しかし、 そこには関連企業25社合わせて850人の人々が働いており、 市内商工業関係者1200人を含めますと、 人口3万2千人の有田市への影響は計り知れないものがあります。 さらに、 有田市の市税の25%が東燃からの税収で賄われており、 市に影響する経済規模は100億円と言われています。

 また、 あの東日本大震災を思い出してください。 あのとき、 当然のことながら東日本の製油所が稼働不能となりました。 そのとき、 東燃和歌山工場からドラム缶1000本のガソリンが被災地へ送られたのです。 この貴重な工場が閉鎖せざるを得なくなるかも知れないのです。

 2011年2月、 私は衆議院予算委員会で当時の海江田万里経済産業大臣に、 また、 3・11震災以降は、 経産省大臣三役にも再三にわたって訴えてきました。

  「官僚が作った省令は、 化石エネルギー原料の有効利用が重質油分解装置の設備のみに限定されたものであり、 しかも自社の装置で可能なのに数百億円もかかる別の装置を限定しているところに大きな問題がある。 エネルギー供給事業者の創意工夫が最大限発揮される制度とは言えない」 「3・11東日本大震災の緊急時に対応し、 貢献してきた和歌山工場の存続が危ぶまれるような制度は、 国益上も問題があること」 というのが私の主張です。 この信念はいまも変わりません。 昨年2月の予算委員会以降政府は、 ブレーキをかけ始めました。

 あの大震災を契機に原子力エネルギーに疑問符がつけられました。 だからこそ、 石油エネルギーのさらなる充実が大切です。 そのためには地方の石油精製所の発展が重要視されなくてはいけません。

 日本列島には各所に活断層があります。つまり、いつ、どこで地震がおこっても不思議はありません。もしも、 不幸にしてどこかで大震災が起きたならば、 その被害を免れた地域は積極的な援助をすべきです。 それを可能にするためにも、エネルギーの地方分散が大切ではないでしょうか。

 いえ、 石油エネルギーだけではありません。 この国を発展させる人間のエネルギーも地方から湧き起こるのだと信じております。
 そのしつこいほどの訴えが実り、 地域分散型の供給体制を整えるため 「石油の備蓄の確保に関する法律の改正」 を8月29日に可決し、 成立しました。 今回の法改正は東燃存続への解決に大きな第一歩を踏み出したものです。

 東燃ゼネラル工場の存続を目指すため今一つの問題があります。 エネルギー供給構造高度化法に基づく措置の改正であります。 9月14日政府において将来の原発依存度を2030年代に原発稼働ゼロを可能と打ち出し、 エネルギー基本計画を策定します。 それに基づき現在のエネルギー供給構造高度化法と大臣告示を抜本的に改正し、 東燃ゼネラル工場を存続させるために国政の場において取り組んでいく所存です。 もうあと一歩です。

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