軽い言葉が生む、軽い政治 経験や知恵を生かし転換を

大江 康弘

 昨今は政治家になるのも塾に通ってなるものらしく、 松下政経塾、 橋下維新塾、 小沢一新塾と大はやりであるが、 そんな風潮が政治家の言葉を軽くし、 政治を軽くした大きな原因だと私は思っている。

 大体、 政治とは現実対応、 現場対応が求められるのに、 塾通いで知識ばかりを頭に詰め込んで、 仮分数のような政治家ばかりが増えて、 どうなるのかと心配する。

 何かと言えば 「世の中を変える」 「現行制度をぶっ壊す」 「新しくする」 等々と響きの良い言葉を言いたがるし、 耳障りも良いから国民にはうけが良いが、 民主党政権になって、 そんな政治が続き、 まるで民主党の党是のように全てが曖昧になったことが、 今、 混乱している要因で、 ここからわれわれが学ぶべきは、 いかに経験が必要か、 いかに積み重ねが大切か、 その中で身についた知恵を政治の舞台で生かしていく習慣に戻さないとこの国は本当に壊れてしまうと危惧する一人である。

 さて、 自民、 民主のダブル党首選挙は、 政権担当能力を持たない民主党の代表選は何の意味もなく、 今回は自民党の方が存在感を見せつけて、 連日のマスコミの報道も与党かと見間違うほどであり、 何よりも人材の層の厚さを国民は実感したはずである。

 同僚の石田真敏衆議院議員によれば、 マスコミの政治報道の法則は4:4:2の割合で4は政府と与党、 そして残りの2は野党関連だそうで、 しかも野党は自民党だけではないから、 いかに毎日の報道において、 野党は存在感がないか、 当然その分 「発信力」 は少なく、 国民から見れば、 ほとんど何もしていないように映り、 そのような印象を持つ。

 だから今回の総裁選は、 いろいろと批判はあっても5名の出馬はインパクトがあった。

 それにつけても、 あらためて民主党は首相以下、 言葉の軽さ、 言葉遊びが目立った。 事実、 この3年間はその繰り返しであり、 結果、 国益が失われていった。 (否、今もING現在進行形で失われている)
 直近では 「2030年代に原発はゼロ」 と言ったものの、 経済界や立地自治体からの反発、 不信を買い、 結局閣議決定もできず努力目標で終わり、 当然である。

 そう言えば、 小学校の時 「今週の努力目標」 というのがあって 「廊下を走らない」 「大声で話さない」 「トイレをキレイに使おう」 等々いろいろ思い出すが、 まさに言葉通りであくまでも目標であって、 結果追求ではなく 「とにかく、 その方向でやってみよう」 という軽い確認事項であったと記憶するが、 民主党政権はどの政策においても努力目標のようなもので、 彼らが口癖のように言う、 大好きな熟議などはやった形跡などは一切なく、 単なる思いつき、 その場のムード、 空気、 雰囲気で大事な国家の基本政策を軽く語るから、 後々に問題が大きくなっていくということを、 全くわかっていない。

 全てが選挙目当てのパフォーマンスであり、 3年前の政権交代のその日から普天間基地移転問題、 子ども手当、 八ッ場ダム問題、 コンクリートから人へと独り善がりで 「責任ある議論」 や 「不断の検証」 など全く無くて、 朝令暮改よろしく暴走、 迷走、 失速を繰り返してきたが、 もうこの軽い政治に、 一日も早く終止符を打たないと、 この国は本当に壊れてしまう。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧

がんばってます

月別アーカイブ